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初仕事

放課後

今日から私は立海男子テニス部のマネージャーです!



「新しいマネージャーの卯月さんだ」
私が来てすぐ『集合!』と大きい声が響いて
部員が集まると部長さんに紹介された

なんか、緊張する…

「あっ卯月 海里です。
これからよろしくお願いします」
そう頭を下げて上げると何人かは『やっと来た!』と喜んでくれてたけど…
大半の人は『またか』とすさんだ目を向けてきた

あぁ。やっぱりあんま歓迎されてないんだ


私を歓迎してくれる所なんて…
「あなたのせいで彼は居なくなるのです」
もう…

「じゃぁ仁王、丸井。
仕事、説明してやれ」

「「はい」」
そう言って2人はこっちに向かってくる

どうせなら幸村君が良かったな…
「フフ…僕もだよ海里」

「ゆゆ幸村君!!」
心読まれたーーー!!

「残念じゃが幸村は強いんでな
こんな雑用はしないんじゃよ」

…幸村君強いんだ…。
あっなんかそんな気、するよね。

「へ〜」

「なんだよぃ。俺じゃ不満か?」
そう丸井君は、少し屈んで私の顔を覗いた

うっ、可愛いかも…

「これこれ、ブンちゃん『俺』じゃなくて『俺たち』じゃろ」

「ブンちゃん言うな!」

「気にするなブンちゃん。
さぁ海里、行くぜよ」
そう言って仁王君はあたしの腕をつかんで歩き出した

そしてその後ろから
「だぁー仁王!」
置いてかれた丸井君が追いつこうと走ってついてきた



「ここが部室じゃ。
んでお前さんは隣の個室で着替えんしゃい」

「あっ、うん」

なんだか仁王君優しい…。
本当にどうしたんだろう…
あんなに嫌われてたのにな


「んでな、ドリンクはここに入れ物あるから…」
「うん」

それから色々なことを2人に教えてもらった

主な仕事は
・ドリンク作り
・洗濯
・掃除
・スコア付け
らしい

まともに雑用なんてやってこなかった私にとっては…
結構ハード…

まぁ、
がんばろう!


「ドリンクできましたー!」
そう言って大量の入れ物を持ってコートに入った

すると、
少し気になるところが…
「ねぇ、丸井君。
サーブ…手をもっと伸ばして、アングルつけた方が良いよ。
勢いが無いから入るけど簡単に取られちゃうんだよ。
それとジャッカル君、もしかして足痛めてない?かばってるよ?」

みんなが一斉に私を見てざわめき出す

「あっあぁ。こうか?」
少し驚きながらも丸井君がサーブをしてみせる

うーん…
肘が曲がってるんだよな…

「ちがう、ちょっと貸して?
…こう!」
私膝に力を入れ、肩を怪我しないように軽く回してからサーブをしてみせる

パンッ!!

ジャンプから着地した時に足からあの痛みが駆けめぐる
「っ!」

打った球が、ころころと転がると、
コートの中が静まりかえった


「す

・・すげぇ!」
そんな中、最初に言葉を発したのは丸井君だった

「海里!すげぇッ!!
そのサーブもっと詳しく教えてくれよぃ!」

丸井君は目をきらきらさせて、私の腕をせがむかのようにつかんむ
なんだかそれが子犬みたいで可愛くて
私はクスリと笑った

「いいよ
…でもジャッカル君の治療が先ね」

私はゆっくりジャッカル君に近づく
さっきの痛みがまだ残っていて踏み出すたんびに顔が少しゆがんだ気がした

「みして…くれる、かな?」

「あっいや!
そんなたいしたもんじゃねーから!」
その言葉を聞いて
いつぞやの自分と重ねて見えてしまう…
「だめ!!
そう思ってほっといたら取り返しのつかないことになる!!
っ後で後悔しても遅いんだよ…」

やばい・・泣きそうだ

そんな私を見てジャッカル君は近くのベンチに座って、「じゃぁ…頼むわ」と小さくつぶやいた

「ありがとう!!」
自分でも分かるくらいさっきの顔から明るい顔になった

「いや、お礼言うのはこっちだろ。…ありがとう」
「へへ、どういたしまして!」
私はジャッカル君の足に湿布とテーピングをしながら笑顔で言った

足のテーピングは自分のを毎日してたから慣れてる

2分とたたないうちにテーピングは綺麗に巻き付けられた

「よし…っと。
無茶はしないでね…?」
今いる角度上海里がジャッカルに上目使いで言うかたちになる

「おっおう」



「海里〜サーブ教えてくれよぃ〜」
上から丸井君が肩を揺さぶってきた

「はは、仕事はほとんど終わったしいいけど…でも練習中にマネージャーなんかが打って良いの?」

「良いって良いって!なっ!みんないいよな?!」
そう丸井君がみんなに同意を求めるとみんなコクコクと首を縦に振った

「そう?じゃぁまずアングルを…」

「あぁ、こうか?」

「そうs「あの…俺たちにも教えてくれないか?」

後ろから1年生の部員達が言ってきた
みんな丸井君みたいに目がきらきらしている

「うん!いいよ!」
私は最高の笑顔で答えた


「でもね。人には向き不向きがあるから…
例えばそこの君はさっきの練習見たけど、このサーブよりもスライス回転のサーブの方が合ってると思うよ?」

そう言って私は丸井君のラケットでスライスサーブを打つ

ボールは一見入らないように見えるが曲がって入って、地面につくと外側にはねる

「「「おぉぉ!!」」」
後ろからみんなの声がハモって聞こえる

「こんな感じ!打ってみて……っ!」
振り向いてみんなに言う…が

やばい…痛い…
私は少しふらつく

するとドンと後ろの人にぶつかった

「あっごめっ!」
慌てて謝ると、急にからだが宙に浮き…

か、担がれてる?!

「きゃぁ!」
視界が一変して見えたのは綺麗な銀髪だった

「仁王…くん?」

「足、痛いんじゃろ。お前さんこそ無理するんじゃなか」

そう言って仁王君は歩き出す
そして思い出したかのように振り向いた
「後は自分たちで考えんしゃい」

それだけ言うとまた歩き出した

後ろからは「に、仁王!?」と驚きの声が聞こえる
そんなのは無視して、着々と足を進める仁王君



「あの…歩けるから、おろして頂けると…」

「嘘をつきなさんな。
ゆっくり歩いてるのにさっき顔がゆがんでたぜよ」

「あーー…
わかっちゃう?」

「多分他の奴らは気づいてないから安心しんしゃい」

「そっか。
…えっと、ありがとう」

私が言い終えると部室につき、水道で足を冷やされる

「いや。
…治らんのか?」

あれ…私、仁王君に足の事言ったっけ…?
まぁ…別に良いけど。。

「…治…るよ。
きっと。」

私は目を合わせなかった

分からないよそんなの
医者は『治る』って言ってたけど、、そんな気配全くないから…

「そうか」

「うん」

気まずい雰囲気が私たちを包む

「それにしても…」

そっぽを向いてた仁王君が私を見て、少しずつ目線を下ろしていく

なんかついてるかな?

「うん?」

「お前さん、胸でかいのぅ」
仁王君は口角をあげて私を見た

「ななな!どこみて…っ」
私は思わず両手で胸を隠した

すると仁王君はククと独特の笑みをみせた

「サーブ打ってる時みんな注目してたぜよ」

「えええ!?嘘ッ!?」

「嘘じゃ」

「…仁王君〜!」

私は顔を真っ赤にして仁王君をにらみつけた
仁王君はそれを見てすごく楽しんでいるよう…

「名前。」

「え?」

「『仁王君』って言いにくいじゃろ。雅治でええ」

「えっあっうん。
でも…『におう』より『まさはる』の方が長いよ?」

私はプッと吹き出しながら言った

「プリっ」
仁王君はそんなことを言いながらそっぽを向いた

「なにそれ〜雅治」




男の人を呼び捨てにするなんて…久しぶり…
景吾達とアイツ以外、呼んだこと無かったからな…

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あきゅろす。
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