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僕の心


「でもね、お母さん。この子の戸籍上は女の子なんですよ。だから学校では・・」

「・・がう。・・違う!!この子は男の子なの!!女なんかじゃないわ!!!」

「『母さん』落ち着いて」
発狂するその人に僕は気づかれないように冷たい目を向けながら言う

「でも、陸斗!この人達、あなたを女だというのよ!?」

「陸斗・・?その子は海里さんじゃ・・っ」

『それ以上この人の前で言うな』そう目で僕は教師達に訴える
と、教師達は気づいてくれたのか・・口を閉ざした


「・・。『母さん』。もう帰って良いよ。僕がしっかり話しとくから。ね?」

「陸斗」

「ほら、はやく」

言うと、その人は渋々というようにこの部屋を後にする

ドアに手を掛けたときに、教師達を睨み付けて・・




「すみません」
僕はとりあえず、あの人の失態について教師に謝った

「いや・・。君は、戸籍上『女の子』となっているのは分かってるね?」

「ええ。もちろん。でも、見ての通り・・母は、受け入れたくないみたいです」
俺はフッと笑って言う




もう、あそこまで狂ってると笑えてくる



「・・君はそれでいいのかい?」



『それでいいのかい?』?

はっ
『良い』としか・・

僕は思っちゃいけないんだよ・・っ
僕に・・『選択肢』なんて


与えられてな い




「あぁ、産まれたときからこんな扱いなので」

「・・では、「でも男として、入学させて頂いてよろしいですか・・?」
僕は教師の声を遮って声を挟む

「・・なぜかな?」

そりゃ、女として学校通ったりしたら家に帰るたんびに殺されかけるからだよ


「母を見たでしょう?」
心ですぐに呟きながらも、僕は冷静に・・いや、『冷血に』と言った方が妥当か・・
そう言った

「・・」

「余計な事して、自分を危うい目に遭わせたくないんですよ」
黙ってる教師陣に僕は嘘の笑顔で固めた顔を向ける

「・・なら・・施設に入ってはどうだろう?」

「はっ、そんな手、母親がおかしいと思ったとき助けを求めましたよ。・・でも無駄だった。家事をやるときはやる。『男』の僕を受け入れる。ただそれだけで僕を施設に入れる必要はないと言い切りましたよ。
それにあの人達の中で僕は『性同一性障害』なんだそうですよ」
しゃべる言葉にだんだんと力がこもってくる

・・落ち着け
こんな奴らに熱くなる必要なんてさらさら無い



別に勘違いしてくれて良い

でも、『僕』は周りの女の子が着てるフリフリした可愛い服だって着てみたいし、ぬいぐるみだってほしい

小さい頃は男がやるようなレンジャーもののごっこより、おままごとがしたかった


頑張って、、身を守るために身につけたのは『男』になりすます事。
そうやって頑張っているうちにだんだんと『女』と言われるのが怖くなった

『女』と振る舞っていたとき、母にやられた事を思い出してしまうから・・


でも

内心

僕は『女』だし、表面でも『女』と振る舞いたいっていう気持ちも・・・あった

んだ・・けど・・


な。



いいんだ。別に

もう、、そんなの諦めたし・・


『僕』はこうゆう運命なんだから・・






「とりあえず、書類とかなんやらでは女って事にして頂いて、授業やクラスでは『男』という事にしといてください」

僕はソファーから立ち、教師達に頭を下げる

「・・」
その人達は何も言わなかった・・・








でも、今現在、学ランを着て僕は生活をしている
そして見学しかしてないけれど、体育だって男の方に出させてもらってる

俺の気持ちは・・伝わったみたいで・・、入学式の日、胸をなで下ろしたのを今でも覚えている・・







「っと・・」
僕は通りかかった公園の時計に目をやる


やべっ
昔の事思い出してる場合じゃなかった;;


急がなきゃ遅刻だ;;!!


やっと、中学生でもできるバイト見つけたんだから・・今度こそしっかりやってかなきゃっ!





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あきゅろす。
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