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Limit6


「あ、」
1人、重い足を動かしながら登校していると・・
見慣れた後ろ姿を見つけて私はつい優しく微笑んだ


「おっはよー!わかs「あ、海里じゃねーか」
私がその後ろ姿・・若に手を振ると、若の隣にいた向日さんがこっちに走ってきた

「こんにちは、向日さん!」
それに、私は笑顔で返事をする

向日さんは若の先輩で、全国大会では若とダブルスをしてくれていた先輩。
だから、私も結構仲が良い

「おっす!元気かー?」

「見ての通りですよ」
2人でそんな会話で盛り上がる

と、
「・・。海里、こっち」
若が私達の間に入ってきて・・
私の手を引いて歩き出した

「わ、若?!」
私は驚いて、若に引かれながらも、後ろにいる向日さんに目を向ける

すると、向日さんは
「へへ、日吉ー男のヤキモチはみにくいぜー」
とニヤニヤと笑いながら若に声を上げた

「・・っ」
それに若は悔しそうな顔をして、でも黙って私の手を引き、前を歩いて行った

その背中に・・
触れている温もりに・・
私は
・・なんでだろう、

涙がまた溢れそうになった















少し歩くと、登校している生徒達の波から逃れ、人気のないところまで来た

「若・・?」
足の止まった若に、私は顔をのぞく


「・・」

「どうしたの?」
黙って私とは目を合わせまいとする若に、私は首をかしげて聞く

「・・っただ、」

「ただ?」
口を開いたと思ったら、バツの悪そうな顔をする若に私は優しく笑って復唱する

「〜っ」

私の反応に、若は何とも言えない顔をして、
「っなんでもない!ほらっ教室行くぞ」
少しすねた口調で言った後、また先程までいた生徒達の群れに私の手をひっぱりだした



「ちょっ!わk」
はんば引きずられるようにして前に踏みだした私が

そんな後ろ姿に、すぐに気付いたのは


赤い耳・・



「若かわい・・」

若以外に私がなびくわけないのに


私は若に気付かれないように、小さく笑った

















また、『1日』が・・終わっていく・・ ・


放課後、私はまた休憩時間になると男テニのコートに来ていた

・・けど、、
どうやら今日は若と休憩が重ならなかったみたい・・

肩を落として、私はとりあえず普段、若と座ってるベンチに腰を下ろす

そして、彼の綺麗な髪がなびいているコートへと目を向けた





パーン



と、綺麗な音を奏でながら若は打ち返す



・・・かっこ、いいな




改めて、そう思う


すると、
ふと・・



「(あ、)」



若がこちらを見た

そして、





・・・優しく笑った








それだけで私の顔は真っ赤になって、
心臓が壊れてしまうんじゃないかと思うくらい飛び跳ねた


だめ、だよ
若・・。

そんなことしちゃ・・っ



いつまでもいつまでも、その笑顔を・・
私にだけ、向けて欲しい


そう、願ってしまう、からっ





私は、キュッと唇をかみしめた







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