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『僕』の現実




コートに向かう途中、全員から自己紹介をされた

なんて言うか・・


個性的だね


「で、名前なんていうん?」
そんな事を思っていると急に忍足に話しかけられた

「あ、僕?」

「他にだれがいるんや;;」

「はは、そうだね。名前は卯月 み・・







陸斗。」

「み・・?」

「あ、気にしないで。間違えた・・だけ、だから」

そう・・間違えた・・だけ

「「・・・」」

「? 年は?」

「あ、中2」

「あ!それなら俺と一緒だね」
そう言ってきたのは鳳で、あぁ、やっぱりそうかとか思った

こいつはでかいけど、中身はどこか幼いから・・

「へぇ、じゃぁ俺らよりいっこ下か」
言ったのは宍戸、、

って

「え”?」

「? なんだよ」

「俺『ら』?」

「そうだぜ?若と長太郎、樺地以外は中三だからな」


「・・・マジで?!む、向日も!?」

「なんだよ。あ”?」
そう言った向日は怖くて・・怖くて;;
つい、僕は目をそらした

「あ、じゃぁ、敬語・・」
僕が言おうとしたとき、滝がニコッと僕を見た

「別に同じ学校とかな訳じゃないし、、良いんじゃない?ね、みんな」
それにみんなが頷いた











「ねっ!ねっ!陸斗〜!俺の試合見てた!?カッコEーだろ♪」
言って抱きついてくる芥川の頭をもって俺は自分から離す

「あーかっこよかったかっこよかった。 だからくっつくな」

あれから、俺はなぜかコートのところにあるベンチに座らされてただ、ずっとみんなの試合を見させられてた。

で、暇な奴らが僕のところに来て話しかけてくる


意味がわからない;;
何のために僕をこんなところに・・

そんなことを思いつつも、跡部・・さんには、逆らうなんて恐ろしいことは出来なくて・・僕も黙って座ってる・・;;



「なぁなぁ、お前どこ中?どこに住んでんだよ?」
向日が試合を終えて、タオルで汗を拭きながらこちらに来た


『住んでるところ』ね・・。
言っても、そこには『僕』しか住んでいない
だから、そこには『僕』はいないんだ

意味が分からない文だけど、これが事実だから・・


「あー。。どこだろうな?」

「なんだよそれー!教えろよ!」

「はは、秘密」
笑って言う物の、きっと今僕は変な顔をしてると思う

『つらそう』とか思われたらやだな。


「・・? ちぇー。っと、お前暇じゃねぇ?」

「あー、、」
ここは「いや、別に。お前らが話してくれるし」とかなんとか言った方がいいのかな

でも、こいつらに媚びを売ったところで・・
あ、この中には『跡部』がいるのか

「微妙って顔してんな」
俺が脳をフル回転させてると、宍戸が後ろからやってきた

あれま、考えるのが遅かったな


「まぁ、無理もねぇよな〜。座って3時間だぜー?」
向日は苦笑いをして俺に言った

3じ、かん・・?

「3時間って、おい、わりぃ、今の時間教えてくれ!」
俺は焦るように近くにいた宍戸の着ていた服をつかむ

「あ、あぁ、っとな・・8時だけd・・て!おい!卯月!!」
俺は宍戸の言葉を聞いて急いで来た道を走った

「陸斗!?どうしたんだ?!」
遠くからあいつらの声がする


でも、それどこではない

急いで、

急いで
帰らないと・・!!

「陸斗、明日もこいよ!!」
最後には跡部さんの声が聞こえた








「なぁ、滋郎」

「うん。






あの子・・















女の子だね」


























ガチャ

音を鳴らして家に入る

「・・・・ただいま」
言うものの返答はなく、そこは真っ暗だった

パチッ
僕は『その人』がいるであろう部屋の電気をつける



「・・・海里?」
静かに、ゆっくりというその声と同時に鋭い目つきが僕をいる

そこにはもう見慣れたが、ガラスの破片と少量の血にまみれた骨のような女


今度は皿と窓か・・
毎回少しづつ壊されていく物を僕は部屋を見渡しながら思う


皮肉にも・・この女(ひと)は実母・・



「ちがうよ。『母さん』僕は・・陸斗だよ」

「陸斗・・?」
その言葉で、目から鋭さが消えた

「うん。『母さん』の大事な一人息子だよ」

「あ陸斗、、陸斗」

「どうしたの?」

「夢を見たの。私からあなたが走って逃げる夢」

逃げる・・ね

多分それは夢じゃない


はぁ・・とうとう夢と現実の違いも分からなくなったか・・



『母さん』は変だ

僕が生まれてから・・




「おかしいわね。あなたはこんなに・・私を愛してるのに・・」
僕にギュッと抱きつき問いかけるように呟く


愛してる・・だぁ?

誰が誰を?

はっ、むしろ僕はお前を・・

「ホントだね。『母さん』、愛してるよ」



憎んでる




 
「さ、眠るまでついててあげるから」
言って自分の膝にその人を寝かす

「眠っても・・ついていて?」






「・・・あぁ」


そう、仕方なく小さく呟いた






















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あきゅろす。
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