[携帯モード] [URL送信]
出会い

ガシャーンッ!!

学校から帰って家に入ろうとすると、大きな物音がしていた


・・今、入っていってはダメだ


そう心の中で警報が鳴り響いた





でも、


「海里・・?」

その人は僕に気がついた

「・・・」
どうしよう・・と冷や汗が背筋を流れる


バンッ
「海里なのね!?」

大きな音とともに開いたドアに僕は逃げ出した











遠くから名前を呼び、泣き叫ぶ声が聞こえる

嫌だ
嫌だ
その本能の言葉に忠実に走って

走って


目の前にあった大きな森へ駆け込んだ













「はぁ、はぁ、、」

もう後ろからは追いかけてくる声も音も聞こえない

まいた・・みたいだな と安堵をつく
でも、

今戻ったら捕まる

そう思い、森を進む事にした


「っー痛ッ!こんな所に森なんてあったか・・?」
木に引っかかって血が出た指をさすりながら、僕は一直線に歩いた

そして、光の見えた先にある木を片手でどかしてみる

ガサ

見えた眩しい太陽と同時に葉のかすれあう音が聞こえた


すると
「!? お前誰!?」
その声の方を向くとおかっぱヘアーのなぜかジャンプしてる・・男の子・・? が、いた

「えっと・・?」

こんな森になんで・・
って、僕もそんな事言えないか・・

「おーーい!!跡部ーー!!!ふほうしんにゅうしてる奴が居るぞー!!!」
僕があたまの上に疑問符を浮かべているとその子がいきなり大きな声を出した

「えっ!?ちょっ!不法侵入ってっ!?」
僕は訳が分からず、ともかくその子の手をつかみむ

と、同時に後ろから近づく足音に気づき振り向いた

「不法侵入だぁ?つーか、それくらい漢字で言え馬鹿」
急に声が聞こえたと思って振り向くと、そういいながら8人の男の集団がやってきた

こいつらなんなんだ…?

「うっせー!」

「アーン?こいつか?」
悔しそうにするその子を無視してリーダーっぽい人が僕の方に近づいてくる

「そうだよ」
おかっぱの男の子(?)は少し膨れて不機嫌そうに言い捨てた

「お前、何のためにここに入った?」
近づいてきた足を止めて、冷たい目で見られる

「え、や、ただ道に迷って…」

てか、ただの森だろ?
お前のじゃねーっつの

「はっ。道に迷うだぁ?ここは完全なセキュリティーで「あー跡部ー!ここの柵壊れてるCー」は?」
僕をあざ笑うかのように笑うそいつの言葉をよぎって元気な声が聞こえた

「あれ、あそこ…この間宍戸先輩と忍足さんが壊しt「ちょっ!それ秘密にしてくれるって自分ゆうてたやん!」…そうでしたっけ?」

「若てめぇ!」

なぜかよく分からないが丸眼鏡さんと、帽子の人に口をふさがれて殴りかかられてるキノコ頭の人…

「…あの〜?」
その姿に恐る恐る口を開いてみる

「あ、…わりぃなこっちにも否があったみてぇだ」
リーダーのような人はあきれながら言った

「あ、いえ」

「それで、ついでに言っておくがな、ここは俺様、跡部グループの敷地内だ」
淡々と言うその人。

・・・しき ちない ?

「…はい?あ、跡部グループってあの!?!?!」

跡部グループつったら日本に知らない人はいないんじゃないかってくらいの大企業だ

「そうだ」

「うぇええ!?」

「なんだその微妙な反応音は;;」
汗を垂れ流すその人の後ろでは何人かが『驚くのも無理はない』的な顔をしていた

「い、や、あ、あの」
驚きのあまり、言葉がうまく出ない

「おちつけ;;」

「そうやで、お嬢さん」
笑いながら僕に近づいてきた丸眼鏡さん



『お嬢さん』…?



「…」

違う


違う


僕は

違う!!!!



「「「「「「「「?」」」」」」」

急に顔を暗くした僕に全員が疑問符を浮かべてこちらを見た


「違う・・」

「?どないした?」

「違う!僕は…僕は女じゃない!!男だ!!」
叫ぶように言う


心の中に募ったものを吐き出すようにして…


「… ! あ…ごめん;;いつも間違えられるからさぁ;;」
場が静かになり、はっと気づいて頭をかきながら笑ってみせる

この人たちには…関係ない


「そうだったんですね!まったく気づきませをでした!」
大きな人が言う

「「・・・」」

「俺も分からなかったぜ」
さっきのおかっぱの人が…
って えぇ!?

「『俺』って事は君も男!?」
思わず声に出てしまう

「なっ!」

「ぶっ!岳人、女と間違われとるやん」
丸眼鏡さんと何人かはお腹を押さえて笑っていた

「うっせー、侑士!くそくそっ」

「あ、ご、ごめんな;;!」

「っお前なぁ!その顔なら女に間違われる苦しみわかんだろーが!!」
そう言って近づいてきて僕の胸ぐらをつかむ
顔は赤くて、恥ずかしそうだ

「ごめんごめん;;」

「くそっ」
その子は僕から手を放し、吐き捨てた




「と、そうだ!ちょうど良いじゃねーか!」




帽子の人が急に大きな声を出した
それに驚き、僕の体はビクリとはねる

「おっ!ほんまや」

「ですね〜」

「でも、こいつ・・できるのか?」

「ん〜、できないなら教えれば?」

「馬鹿、お前、それじゃ相手になんねーだろ」

「あーそれもそうだね。ごめんごめん」

な、なんだ!?

僕はキョロキョロとその人達の会話を見た

「なぁ、お前」

「はい?!」
跡部さんに話しかけられてつい、気を付けをしてしまう

「そんな驚くんじゃねーよ;; お前、テニスはできるか?」

「は?テニス?」
いきなりな質問にアホっぽい声が出てしまう

僕の声の答えの変わりに全員が頷く


え、 て、テニスってあの?

テレビで父さn・・卯月のおじさんがやってる・・あれ?

「やった事・・ない・・訳でもないけど、やった事ない部類に入るとゆうか・・」

「はっきりしないやつだな;;」

「あはは;;」
僕は苦笑いを帰す

「で、どっちなんだ?」

「・・でき、ません」

今は・・ね
てか、もう忘れちゃったしな〜

「はぁぁ〜 んだよ〜」
ため息混じりの残念そうな声が聞こえる

「どうか、したんですか?」

「あー。俺らテニス部なんだけどな?見ての通り今は9人なんだよ」

その言葉に、人数を目で数えてみる

「(ホントだ)あーなるほど。人数が足りないわけですね」

「そうゆうこった」

「お役に立てなくてすみません;;・・っと、じゃぁ俺はここで失礼します。勝手に入ってすみませんでしt「え〜、帰っちゃうのぉ?」
僕が頭を下げようとすると遮られる

「あ、はい」

ここには逃げて迷い込んだだけだし・・。
それに、早くここから出たい

だってあの、『跡部』の敷地だぜ!?
僕みたいな貧乏人がいてはいけない気がする・・


「でもここであったのも何かの縁ですし、見ていったらどうですか? 跡部先輩!良いですよね!」
大きい人がいっt・・て、えぇぇ!?

何を見て行けと!?

「あぁ。いいんじゃねーか?」
・・・

・・天下の跡部さんには敵いません;;






そんなこんなで僕とこいつらは出会ってしまった












この出会いがきっかけで『私』の人生が大きく変わるとも知らずに・・


[←][→]

4/10ページ

[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!