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秘密
「ねぇ、『feather』ってゆう会社知ってる?」

「!多分知らない人はいないと思うよ?」

そう『feather』は世界的に有名な会社で、世界で1位、2位を争う会社である

「そう・・かな? その会社が元はある一族の人たちが創ったって事は?」

「うん。知ってる。結構有名だよね」

「じゃぁ・・・・その会社の当主・・代表は・・?」

「確か卯月 作哉ってゆうおじいさんだった・・かな?」

「よく知ってるね。それでねその人・・・私の祖父なの」

「・・・・・え!?」
幸村君は急に足を止めて驚いた顔をした


そりゃそうだよね


「やっぱ、、驚く・・よね」

「うん。確かに驚いたけど、大丈夫。そんな不安な顔、しないで?」

「ありがとう。。『feather』についてそこまで知ってたら次期代表も分かるよね?」

「孫娘・・海里ってことかな?」

「うん。・・変だと思わない??」

「変・・何で息子や娘を通り越して孫娘なのか・・ってことかな?」

「うん。実はねそれ、お母さんとお兄ちゃんは私を置いてどこか行っちゃったからなの」

「・・え」

私は苦笑いをする

「・・聞いて良い?お父さんは・・?」

「・・・・死んじゃった」

「・・あっ・・」

「はは。そんな顔しないでよ。もうずいぶん前のことだから」


「もちろんお父さんにも兄弟はいたよ?弟が1人。
でも、また・・みんなと一緒でお父さんが亡くなってから数日たったある日・・どこかに消えちゃった。。」



「いなくなった日にちが違かったからね。お母さんとお兄ちゃんとおじさん・・お父さんの弟は別の場所に行っちゃったんだと思う」



“もう我慢できないッ!!こんな家!!”
“お母さん・・待って!置いていかないで!”
“さわらないで!あんたなんて産まなきゃ良かった!!”




「お父さんとお母さんは、同じ車に乗ってて交通事故にあったの。それでお父さんはとっさにお母さんを抱きしめたんだって。だから、、お母さんはほとんど怪我がなくて・・お祖母ちゃんは・・

“なんで・・なんで・・庇ったりしたの・・あなたじゃなくてあの女が死ねば良かったのに!!”

って・・お父さんの仏壇で言ったの

仏前だけじゃなくてお母さんにも毎日毎日。。。



今まで家の中は優しさであふれてて、いつも優しかったお祖母ちゃんが豹変したのは驚いたわ




お祖母ちゃんはね。何でも良いからお母さんに嫌みを言いたかったの
でも、お兄ちゃんは勉強でも何でも完璧にこなしちゃう人だったから否の打ちようが無くて、だから私が勉強をしないでテニスばっかりしてるのを見てお母さんに色々と言ってたみたいなの。


それで・・お母さんは・・



私を階段から突き落とした




その時、私はお母さんの顔を見てしまって、お母さんを憎めなかった

申し訳なさそうに涙をボロボロと流していて・・・





足、または腕を故障させてテニスをやめさせようとしたみたい



お母さんの顔を見ていたら嫌ッてほど気持ちがわかったわ

でも、、私は何があってもテニスをやめなかったの
母親の幸せより自分の気持ちを優先させたの

そしたらお母さんは“あんたなんか産まなきゃ良かった”って言っていなくなっちゃった




お兄ちゃんはずっと私を支えてくれていてお母さんがいなくなった日、自分を責め続ける私をずっと、、抱きしめてくれてた

でも、、・・なんでかな?
お兄ちゃんがいなくなった理由が分からない。
お兄ちゃんはお祖母ちゃんにも、お祖父ちゃんにも・・みんなに歓迎されてて・・
私は邪魔者扱いだったけど、お兄ちゃんは私の味方にいてくれたの

考えられるのはお祖母ちゃんやみんなに期待されて、プレッシャーに耐えきれなくなった って事。





2人がいなくなってから私は毎日お祖母ちゃんに嫌みを言われて、、使用人のみんなも私をいないものとして扱ってきたわ

“あなたこそ出て行けば良かったのよ”
“陸斗はあんなに優秀だったのに”
“なぜあなたがここにいるのよ”


それと、、お兄ちゃんがいなくなったその日から私を本邸へ入れてくれなくなったの

“あなたなんて必要ない”
“ここのみんなはあなたなんて歓迎していないのですから”
“顔だって見たくないわ”
“次期代表だって表面だけです”


ってね。
もちろん庇ってくれる人はいたよ。
でもその人はアメリカの会社に連れて行かれちゃった


まぁ・・そんなところかな」


話し終えると私の手は震えていて

それに気づいた幸村君は私の手を握ってくれた

「もう1つ聞いて良いかい?・・その、お兄さん達を探す方法はなかったの?」

「あったよ。でもお祖父ちゃんが“一度出て行った者を探す必要はない”って」

「そっか」

どうしよう・・震えが止まらない

すると、幸村君は私の手をいっそう強く握ってくれた

ありがとう。
今、言葉にしてしまったら涙が出てしまいそうだから・・
だから・・言えないけど、、
でも、ありがとう。
大好きだよ。幸村君。




「あっその角曲がってすぐだよ!」

テクテクと歩き家が見えてくる
きっと普通の人から見るとかなり大きいと思う
庭にテニスコート3面あるし、3階建てだし・・
でも・・本邸とは比べ物にはならないほど小さい

それにここには私1人。
召使いやメイドもいなければシェフすらもいない



家の前について、幸村君の手を離そうとしたら逆に強く握られた

「家に誰かいる?」
急に幸村君が優しく笑って言った
「え・・あ、いない」
私は俯く

「じゃぁさ!お邪魔しても良いかな?」

その笑顔は私が一目惚れしたあの笑顔で、、
なんだか断れなかった

「いいよ」

そう言って私は門の鍵を開けた

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あきゅろす。
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