dart3 図書館はいい場所だ。 静かで、心が落ち着く。 ずっと下を向いていたら首が凝ってしまった。 あぁ、と思って首をぐるりと回すと、真正面にいた真理谷君と目が合う。 「あ…」 「見てない」 「…お恥ずかしいところを…」 真理谷君の目は私を見ていなくて、目下の本をぱらりと捲る所だった。 「ふわぁ、今日はもう止めよう」 モディリアーニっていい響きかもと口に出して言っていたのだろう。 真理谷君が目を細めて私の顔を見つめた。 「モアレポートを読んでその感想か?」 「…なんか、思い出したから」 「…名前の頭は面白いな」 少し微笑む真理谷君に、自分でも苦笑してしまった。 「真理谷君の、笑った顔好きかも」 「っ、、!」 急に赤くなる真理谷君に少しだけ優越感を覚えながら、書架に本を戻しに行った。 だって、知識じゃかないっこないんだもん。 私の周りには、愛しい人ばかり。 --------------------- 真理谷君との絡みは、書いておきたい [*前][次#] |