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6.卒業
タイムリミットはあと1日。
あたしには何ができるだろう。

「これで卒業授与式を終了いたします」
放送とともに少しざわつきだした。
彼の隣で過ごしたのはたった4か月。
受験という大事な時期だったのもあって、お互い距離が埋まることはなかった。埋めようともしなかった。

最初に愛想を尽かしたのは彼、でも最初に裏切ったのは私。

「小池くんっ、今日打ち上げいく?」
「あー、わかんない。面倒くさいし。」
相変わらず投げやりな態度。
「そっかー」
せっかく会話しようとしてるのに不安にさせないでよ。
「彼氏、元気?」
「あー、別れたよ」
小池くんに、好きでもない相手と浮気をしてたなんて、軽蔑されたくなくて、あの時あたしは浮気相手を選んでしまった。自分勝手だなんてわかってる。でも、この人を忘れることなんかできない。

「三神さんならすぐ彼氏できるよ」
やめてよ。あたしは・・・。
「でも、あのね、」「友達の言葉は信じろよー。」

相変わらず勘が鋭い。言わせてくれたっていいのに。相変わらずだ。
なんだか馬鹿馬鹿しくなって来た。あたしはこの人のこういう所が好きになったんだった。

でも、もう少し傍に居させて。
今日という日が過ぎるまで。


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