花と野獣
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誠「…てめぇは、瀧の盲目的な信者だったなぁ?
八重の存在が気に食わねぇかぁ?」
「グッ!!!彼奴の為に俺達は此処に立ち寄ることさえ許されなかったんじゃないんですか!?」
誠「…黒、猿、犬。てめぇら、下の奴等の教育どうなってんだぁ?
元々此処をお前らの集まる場所に使わせてんのも瀧の後輩たちのお前らを思ってだろぉが。
その瀧が人を一人家族として受け入れて、その間馴れるまでお前達が此処に出入り出来なくなったからと言って、今までの瀧の気持ちを踏みにじるような行動させんじゃねーよ。」
「っ!!イッ、安西さんも、北見さんまで何で彼奴を庇うんすか!」
誠「…黙れよ。糞餓鬼。
てめぇの様な俺達3人に盲目的な信者がanimalに存在することが不愉快だ。
黒。この際よく考えろ。
それと、後で八重にきちんと謝罪しろ。」
そこで誠は綺羅の髪を手から離して、八重が落としたオレンジを拾いキッチンへと戻った。
黒と呼ばれた美男子は小さく溜め息をついて、チームを見渡した。
最近のチーム内は荒れていた。
誠が言った瀧達の信者と言える者達と、純粋にanimalが好きで憧れて、喧嘩が好きな者達との対立があからさまだった。
この店には20人程入れるから、チーム内のランキングの上位の者達が入れる。
全員集めれば50人程いる。
信者を切り離せば3分の1は減る。
それ程瀧達は不良達の中でカリスマ的存在だった。
猿「いーんじゃない。俺も前から思ってたけど、最近は目に余るっしょ。」
犬「…今のanimalにあのカルテットの信者は必要ない。」
ザワッ
猿と呼ばれた、オレンジを踏んでしまった金髪はチャラそうな格好だが、黒と同じく顔が整っている。
そして、犬と呼ばれた男も整った顔立ちをしていて、短い焦げ茶の髪に無感情の翡翠色の瞳で綺羅見下ろしていた。
二人の言葉にざわめきが生まれる。
「あの人達を慕って何がおかしんすか!?
あんたらなんざぁ、あの人達の足元にも及ばないのにチームanimalのトップだなんてよく名乗れるっす、グァッッ!!」
綺羅が喋り終わる前に、黒が綺羅の小綺麗な顔を蹴りあげた。
黒「決定…あの三人の信者はチームを抜けろ。
俺達が気に入らねぇなら正面から喧嘩を売ってこい。誰が上か解らせてやる。」
黒は周りを見渡してそれだけ言えば綺羅の髪を鷲掴み店の外に引き摺り出した。
その場にいた信者と把握されている者達も猿と犬に寄って出された。
そして、残ったanimalのメンバーにより今回の決定が通達されたのだった。
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