花と野獣
☆☆
朝9時から夕方5時までのカフェにしては短い営業。
だが、満員御礼。
今日も満席の忙しい一日だった。
雨「八重、片付けは俺がしとくから買い出し行ってきてぇ。」
八重「ん?良いですけど、何かあるんですか?」
雨「ぅ〜ん。瀧が居ないから、週に一度のご褒美ゼリー誠が作るんだけど材料不足なんだよぉ。」
そこで八重はハッとした。
祖母が居なくなり八重は少しの間食事が出来なかった。
そこで料理が出来ない瀧が作るようになった唯一のゼリー。
それだけ八重は食べれた。
普通に食べれるようになっても週に一度のご褒美の日として瀧にゼリーをお願いしたのは八重だった。
普段欲のない八重からのお願いに瀧は嬉しそうに引き受けたのだ。
その日が今日、金曜日だった。
瀧が実家に向かう日が被っていたら誠が作る。
これはめんどくさがりな誠が珍しく名乗り出て決まったのだ。
(只の誠の嫉妬からきた行動だが。)
八重「わかりました!材料と言うことはオレンジですか?」
雨「そうだよぉ。重いと思うけど大丈夫?」
八重「はいっ。なら今から行ってきます。」
雨「は〜い。何かあったら遠慮なく電話してねぇ。」
雨の言葉に短く返事をして店を後にした。
外は朝晴れていたのが嘘のように曇り空のせいで夕方なのに薄暗くなっていた。
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