Colorfulカラフル キセキさん家の日常2 腰まで伸びた艶やかな赤い髪。左右で違うオッドアイは、まるでルビーとトパーズの様だ。 身長は小柄ながら、バランスの取れた身体。好き嫌いがあるだろうが、10人中10人は「美少女」と言うだろうと、火神は漠然と思った。 だがしかし、いっくら美少女だとしても鋏を投げてくる美少女とは仲良くなりたくねぇなぁ………と思う。 仁王立ちしている、美少女を涼太は買ってきたケーキで宥めていた。 「まぁまぁ、征奈っち。今日の所は鋏をおさめて欲しいっす。ほら、これお気に入りの鋏でしょ?投げたら壊れちゃうっすよ。それに、今日は友達連れてきたから家に上げて欲しいっす」 ぺらぺらと、涼太が一気に言えば、ケーキの中身を確認していた美少女が、俺に視線を向けてきた。 「涼太の友達?…ふーん、大輝とタイプが似ているな」 俺より、身長も身体も小さいのにこの威圧感は何だろうか;;;; 美少女は、俺を一通り見ると 「奇跡征奈だ。不本意ながら、このチャラ男は兄、どうやら、これが迷惑かけたみたいで、まぁ上がればいい」 「ひどいっす!征奈っちっ!」 何と言う、発言だろうか………しかし、一応自己紹介されたのでこちらも返す。 「あー、俺は火神大我。中学まではアメリカで暮らしてた。まぁ、涼太とはクラスが一緒なのと部活関係で友達になったんだ。よろしくな……えーと」 「…征奈でいい。火神さん」 そういって、美少女いや、征奈はケーキと鋏を持って家の中に入っていった。 「さあさあ〜火神っち!上がるっすよ!」 涼太に案内された、リビングはなんつーか…………えらいカラフルだった。 対面式のキッチンには眼鏡をかけた緑の髪が、料理をしているし、かといえば長身の紫の髪はソファーに座ってお菓子食ってるし、その隣には征奈がさっきの鋏で何か作っている。 そんで、金髪の涼太はいつの間にか制服から、私服に着替え冷蔵庫開けながら、 「火神っち〜、麦茶で良いっすかぁー?」 と、言っている。 「へっ?…あ、あぁ悪りぃな」 「気にしないで欲しいっす〜 あっ、こっちの緑は次男の真太郎兄で、紫が三男の敦兄。そんで天使で小悪魔な征奈っちVv。あれ?……もう一人のお姫様は?」 その時、誰かが俺の服を引っ張った気がしたので、振り向くと 「うぉぉっ!!!?」 なんか、いた。それもちっこいのが……スカイブルーの髪したちっこいのが俺を見ていた。 つーか、全然気がつかなかった……;;;; 「テツナっち〜VVvそんな所にいたんすか〜火神っち!わが家の天使の一人!末っ子のテツナっちっす!」 「お帰りなさい…涼太くん。この人誰ですか?」 ちっこいのは、不思議そうに飴玉みたいな目で俺を見てきた。 「この人は、火神っちっす!俺の友達っすよ〜」 「…お友達…奇跡テツナです。小学五年生です。涼太くんをよろしくお願いします。火神くん」 そう言ってちっこいのは、ぺこりと丁寧にお辞儀をしてきた。征奈と大違いだな。俺も、目線を低くして挨拶した。 「あぁ…火神大我だ。よろしくな、テツナ」 ほとんど、無意識で頭を撫でようとしたら……避けられた。 「………………」 (あれ?何で地味に凹んでんだ俺……?) 「ダメっすよぅ〜火神っち!テツナっちはちょっと人見知りさんなんす。テツナっちに触るには十年早いっす!」 …なんか、涼太の言葉にすげーイラッとしたのは気のせいじゃないよな。 「…いきなり、初対面なんにごめん…な。テツナ…」 とりあえず、謝っとくか。目線低くしたが、でかい俺なんかが、いきなりじゃテツナも避けるよな…。 「ちょっと、びっくりしただけです。……火神くんの事、嫌じゃないですから」 そう言って、テツナは小さくニコッと笑った。 なんだか、和む笑顔だ。 その途端、隣の涼太が 「テツナっちマジ天使!!」とうるさく吠えていた。 「うるさい!涼太!わくわくさんが聞こえないよっ!」 「涼ちん〜キモーい」 「テツナが可愛いのは分かるが、うるさいのだよ!涼太!それより、夕飯の支度を手伝うのだよ!」 兄二人と妹一人から、文句を言われる、イケメンが一人。モデルの面影まったくねぇな……。 「皆、酷いっす〜;;;;俺、真兄を手伝ってくるっすね。テツナっちと火神っちは、向こうでケーキ食べてていいっすよ」 「涼太、俺は帰るわ。なんか、夕飯前の忙しい時にお邪魔しちゃったみてぇだし」 「火神っち、気にしなくていいっすよ!あっ、真兄火神っちも一緒にご飯食べてもらうんでもいいっすか?火神っち、一人暮らしなんすよー俺の用事に付き合ってもらっちゃったから〜」 「いや、何言ってんだよ!涼太俺、大丈夫なんで帰る、です」 立ち上がろうと、すると、 「火神くん…もう帰っちゃうんですか?」 テツナが、捨てられた子犬みたいな目をしてそんな事を言ってきた。 (俺は犬は苦手なんだが……)罪悪感が湧いてくるのはどうしてなんだろう………。 「あっ……えっと」 「テツナがそこまで懐くなんて、珍しいよ。まだ、いれば?火神さん」 征奈が鋏をチョキチョキさせながら、こっちに来た。つーか、鋏持ってくんな!怖えぇだろ! 「ちょっと気にくわないけど、テツちんが悲しむの嫌だから、食べてけば〜どうせ量は沢山あるし〜あっマフィン食う?」 なんか、紫の巨人も来た。 「火神とやら、バカ弟が迷惑をかけたみたいなのだよ。食べていけばいいのだよ。」 緑の眼鏡も、キッチンから顔を出してきた。 「………………………ゴチになる、ます」 決して、カラフルメンバーにビビった訳じゃねぇ! 今日は、冷蔵庫の食材切らしてたの思い出しただけだ! また、続いてしまいます!人数多いとどうしても、長くなってしまう〜(*_*) 色んな、ネタが浮かぶのに上手く文章に出来ません。 そして、長男出ず(笑) では、また次回〜 [*前へ][次へ#] |