じじ孫娘っ! じじ孫娘っ21 確認すると、骸が立っていた。 「いらっしゃい〜骸」 玄関を開けリビングに骸を通す。 「お邪魔しますね、綱吉くんジョットさんの様子は?」 「熱はないし、俺が作ったお粥も食べれたよ。今、寝てると思う」 「…そうですか。綱吉くん、もう家を出た方が良いですよ。遅刻してしまいます。後は私がついていますから」 「そう?じゃあ…悪いけどよろしくな!何かあったら携帯に連絡ちょうだい」 骸が物凄く、良い笑顔で送り出してくれたのが、ちょっと気になったけど、確かに遅刻しても困るので俺は雲雀さん家へと急いだ。 さて、綱吉くんを見送った後、私は彼の部屋に入り、丸くなっている布団の塊をガバッ!!!とはいだ。 さすがに、びっくりしたのか珍しく驚いてるジョットの姿があった。 「そろそろ、仮病は止めたらどうですか?ジョットさん?」 「…なぜ、君がここにいる?骸」 しかし、表情をすぐ変えたジョットはしっかりとした口調で喋りながら、身体を起こした。 その様子に、綱吉から電話を貰った時から、おかしいと、ふんでいた骸は、自分の予想が当たったと確信した。 「残念ながら、綱吉くんはいませんよ。予定通り"雲雀恭弥"の家に行きました」 「チッ、よくも邪魔してくれたな。もう少し重病のフリをすれば良かったか」 「という事で、お昼すぎぐらいまで私がジョットさんの面倒見る事になったので♪まぁ、そんなに元気なら見なくても大丈夫ですね」 ジョットは起き上がり、ボキバキと身体を動かしている。どうやら完全に開き直ったようだ。 「流石、スペードの孫だな。儂の嫌がる事を見事にしてくれおって!」 「貴方が、つまらない仮病など使わなければ、私は綱吉くんについて行く事が出来たんですけど。少しぐらい感謝してもらいたいです。一歩間違えば、私の祖父が"ここ"に来ましたよ?」 ジョットに睨まれても、骸は負けずニコニコとしている。もし、綱吉がそこにいたならば二人の背後に、龍と獅子が見えると言ったかも知れない。 一方の綱吉は、雲雀家の玄関で冷や汗をかいていた。 玄関の扉を開ける前までは良かったのだが、インターホンの声は確かに草壁だったから、すっかり油断していた。そこに立っていたのは、草壁ではなく雲雀だったから…………… しかも、いつもの黒スーツではなく、黒の着物姿である。残暑厳しいハズだが涼しく着こなしてるなぁ〜なんてウッカリ思ってしまった。 (って、そうじゃなくて!!) 「な、なんで雲雀さんがいるんですかっ!?」 「僕がいちゃおかしいかい?僕の家に」 「いえ、オカシクないです。でも、インターホンは草壁さんだったからてっきり…」 「ちょうど哲に電話が入ってね。ヒマ潰しに僕が出た。それよりあがれば?冷気が逃げる」 自分はまだ、扉を開けっぱなしだった事に気がついた。慌てて、閉め用意されているスリッパに履きかえ、覚えた台所へ向かう。雲雀は本当にヒマ潰しだったのか、先にスタスタ歩いていってしまった。 (…あービックリした。雲雀さん家じゃあ着物なんだ…似合うけどって…何考えてんだ!!) ちょっとかっこいいとか、思ってしまった。だって顔だけ見れば美形だし、日本人は和服着れば普通の人だって三割増しに見えるのだから美形が着れば尚更で……とよく分からない言い訳を心の中でしていた。 「変な顔になってるよ。綱吉」 そんな事を考えていたら、雲雀の声がやたら近い所で聞こえた。 「へっ?」 声と同時に顔を上げれば、間近に雲雀の顔。先に行ったんじゃないのか!もう少し近ければ、お互いの肌が触れそうな………… 「ふぉおぁあぁぁ☆%∞◎………!!!」 (あぶなっ!キ、キキキキスする所だった) 「ひ、ひばりさん、近いですよっ!!」 「?」 (この人分かってないーー!!) 綱吉は取り合えず少し離れた。自分の心臓の為にも、危なすぎる。もぅ美形って厄介だ………雲雀は気にした風もなく 「昨日のリクエストよろしく、12時には出来る?」 と聞いてきた。 「うぇ?あっ出来ます……と思います」 「じゃあ、出来たら内線かけなよ」 「はい」 そして雲雀さんとは途中で別れ、俺は台所で気合いを入れた。 お待たせしました!やっとこ雲雀さん登場です。ツナちゃんの心臓はノミの様に小さいと思います。 ではまたー(^o^)/ [戻る] |