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じじ孫娘っ!
じじ孫娘っ17
………そんな話を昨日したばかりだと言うのに…会ってしまいました。そして何故か雲雀さんは、ただいま俺ん家にいます。なんで、こんな事になったかと言うと、遡る事約2時間前。



俺が今日一人で帰っていた時、素行が悪い生徒が多いという、黒曜高校の生徒と、運悪くぶつかってしまい、当然のごとく因縁をつけられてしまいました。(俺って、どうしてこう運が悪いんだろう〜)

荷物は落とされ、両手を取られて逃げるに逃げられない……。

「そんな泣いても無駄だぜぇ〜ぶつかった君が悪いんだし♪」
「何も怖い事なんてしないし、ちょーっと別の場所で俺達と良い事しようよ〜」

「やだっ!離せよっ!…離せ!!」
(どうしよう、どうしよう………このままじゃあ……)


どうにかして、逃げられないか頭の中は必死なのに、身体は不良達によって言うことが効かない……。その時!

「君達。何、風紀乱してるの?」
よく通る声が耳に届いた。
「あぁ?誰だ?てめぇ…がっ!?」
不良の一人が何か言う前に、俺から5メートルほどぶっ飛んだ。続いて、もう一人も空を舞い、一瞬で二人は伸びてしまった。


(何がおこったんだ…?)
俺がポカンとしていると


「トラブル体質な訳?君は」


不良達によって、落とされたカバンを俺の頭に押し付けた、呆れ顔の雲雀さんがそこにいた。

「ひ………ひ…雲雀さんっ?!…何でここに」

「たまたま。久々に並盛を見回りしてただけだよ。案の定、僕がいないと風紀が乱れるね」
そう言いながら、雲雀さんは携帯をかけ、

「もしもし哲。並盛にバカな奴らが出入りしてるみたいだけど、ちゃんと取り締まれって言っておいて。署長に」


手短に会話を済ますと、雲雀さんは今度は俺の方に向き直り、
「で、今回は捻挫なんかしてないよね」
と言ってきた。


「…は、はいっ!あの…助けてくれてありがとうございました!!」

俺はカバンを抱え直し、とりあえずお辞儀をした。心の中はただいま、テンパり中だ。
(うあああぁぁ〜何かまた、迷惑かけたぁ〜)


「さてと、また綱吉に"貸し"を作ったわけだけど、今度は何作ってもらおうか?」

…今、何と…?

思わず、お辞儀のままの体制で数秒固まった。恐る恐る顔を上げ、一応確認する。


「あ、あのー雲雀さん。今、何言いましたか?」

「当然、これって"貸し"でしょう?この僕が、わざわざ人助けなんてしないよ。まだ、二週間ぐらい並盛にいるんだよね。だから、また料理作りにきなよ」

ニヤリと初めて雲雀さんが、口角を上げました。
あぁ…悪魔の微笑みってこんな感じですか?


青ざめてる俺を気にせず、雲雀さんはメモを書いて俺に渡してきた。

「えーと、これは」
「リクエスト。作れるでしょ、綱吉なら」

メニューを見て、俺がどう返事をしようかと考えあぐねていると、


「貴様っ!綱吉に何をしているっ!離れんかっ!!」

この声と共に何かが、雲雀さん目掛けて飛んできたが、雲雀さんは難なくそれを、左手でキャッチした。


その手には、豆だいふく……。

豆だいふくが飛んできた方向を見ると、

「おじいちゃんっ!!」
「どこの馬の骨だ。わしの可愛い可愛い綱吉に、手を出そうとは!」

「…何、あれ」
「……すいません。俺の祖父です;;」
「綱吉の?歳が読めない外見だね。」
「よく言われます」
「何、図々しく名前なんぞ呼んでいる!離れろっ!」


そう言うなり、ジョットは杖を雲雀の方へ打ち込んできた。

「おじいちゃんっ!!?何するのっ!!」

杖は雲雀の顔面に向けられていたが、ガキィィィィンッッと金属音がして止められた。


「…へぇ…老人のくせに随分力強いね」

雲雀の手にはいつの間にか、黒い金属の棒の様な物が握られ、ジョットの杖は受けとめられていた。

「むぅ…中々やるな貴様…」

ジョットは杖を、瞬時に離し、今度は足を狙う。またも雲雀は、それを避け何故か楽しそうだ。二人は完全に綱吉を、忘れて戦っている。

しかも、騒ぎを聞き付けてか人が集まり始めている。さっきの不良達も逃げたらしく、その姿はない。こんな事で注目などされたくない!


「はわわわぁぁぁぁ〜えらい事になっちゃった…;;どうしよどうしよ」

このままでは、どちらか怪我をする事確実だ。こうなったら、ない頭を捻って浮かんだ言葉を言ってみる。


「二人共!やめて下さいっ!おじいちゃん!それ以上やったら、お…俺大っ嫌い!になるからね!!!雲雀さんも!俺、ご飯作りませんからっ!!」


もーどうにでもなれと思って言った言葉は、意外に効き二人は動きを止めてくれた。
とりあえず、綱吉は胸を撫で下ろし、二人に近づく。


「もう、おじいちゃん。雲雀さんは寧ろ俺を助けてくれた人なんだよ。いきなり暴力なんて、何考えてんの!」
「しかし、綱吉…」
「ちゃんと説明するからちょっと黙って!!」
「………………はい」
シュンとしてるおじいちゃんは、ほっといて俺は雲雀さんにもふり向き、

「祖父の事は本当にすみませんでした。けど、街中で普通にバトルしないで下さい」
「……売られた喧嘩は買う主義なんだ」
「買わないで下さい;;」
雲雀さんも不機嫌になりがらも、武器?の様な物をしまってくれた。


(さて、どうやって説明しよう………)

実は、捻挫した際夏休みの料理作りの事は祖父には言っていなかったのだ。
過保護な祖父に言えば、絶対反対し事が大きくなると思ったのが理由である。
しかし、話さない訳にはいかない………俺が困っていると後ろから、

「あらっ?ツナちゃんにお父義さんじゃあないですか〜そちらの方はどなたかしら?」

【ニコニコにっこり】と言った言葉が合いそうな笑顔をした、母・奈々が大量に買物袋を持って立っていた。

とりあえず母さんが現れたので、俺は簡単に状況を説明した。母さんには、夏休みの事はちゃんと話してあったので、母さんは俺の話を聞いた後、

「あらあら、娘を助けていただいてありがとうございます。雲雀さん?だったかしら。こんな所でなんですから、良かったらお家に寄ってくださいな。ちょうどお夕飯これからなんです。私からのささやかな、お礼ですから」


母さんは、とんでもない事を言い始めた。
(母さんぁぁぁぁあ〜んっ?!)「何言ってるんだ!奈々さん、こんな危険な男を家に招待など!」
「お父義さん、ツナちゃんの恩人ですよ」
「うっ…;;」


おじいちゃんも母さんの笑顔には弱い。
俺はチラリと雲雀さんを見ると、流石に雲雀さんも驚いたのか眉間にシワが寄っている。
母さんは雲雀さんを、怖がりもせず変わらない笑顔で、見つめている。

雲雀さんは、しばし考えため息をついた後、

「じゃあ、お邪魔するよ…」


雲雀さんのこの言葉を聞いた時、並盛で1番強いのは、母さんかも知れないと俺は思った。


…………そういう訳で、現在雲雀さんは俺ん家で、お茶を飲んでいます。





やっと、雲雀さん再登場です!お待ちしていた皆様、お待たせ致しました!出る時は、あっさりと登場するもんだな……うちの雲雀さんは( ̄∀ ̄;)
今回は、ジョットじいちゃんに動いてもらいました。足腰は弱くないですが、気分的に杖を持っているジョットじいちゃん(笑)そして、ママンにも登場してもらいました。人物紹介に、出してる人はちゃんと入れたいと思いまして…大変ですが。
ではまた次回!

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あきゅろす。
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