じじ孫娘っ!
じじ孫娘っ8
ロビーに向かうと、何故か人だかりが出来ていた。
(…何か嫌な予感が…)
「雲雀の奴、お偉いさん方に囲まれてんな♪」
「俺のバック、あの中って事…;;;すっごい、入りづらいんですけど」
「仕方ないだろう。とりあえず、行ってこい」
「…リボーン、ついて来てよ。」
「こういう時だけ、俺様を頼るな」
「だって…あの雰囲気怖いじゃん!お願いっ!」
お願いポーズをして、頼み込む。
「……しょうがねぇな。骸と今度デートさせろ」
「……………善処するよ」
(多分、無理だと思うけど)
リボーンと一緒に、人だかりに声をかけてみる。
「あ、あのぅ…治療終わったんですが…」
「治療済んだぞー雲雀」
俺の声だけじゃ、聞こえなかったみたいで、リボーンも声をかけてくれた。
そしたら、人だかりの中心から、返事が返ってきた。
「やっと、終わったの?遅いよ」
大分、不機嫌なご様子。
(うわーんっ〜なんか知らないけど怒ってらっしゃる;;;)
「連れが、帰ってきたから、君達邪魔。あと、群れすぎ…散ってくれる」
雲雀の一言で、波が引くように人だかりが無くなって、ロビーのソファーには、雲雀と草壁の姿だけが残り、お偉いさん?達は「また後でよろしくお願いいたしますー雲雀様ー!」とか、言って去っていった。
(本当に…王様みたいな…;;)
「綱吉、治療終わったみたいだね。…随分包帯だらけだけど」「はいっ、入江先生とリボーンに診てもらって、見た目大袈裟ですけど、大丈夫です!」
「沢田さん、右足は大丈夫ですか?」
「軽い捻挫だったみたいで、また一週間後に来る事になりました」
俺は、草壁さんからバックを受け取り、ソファーに座った。
後は、お会計をしておじいちゃんを待つだけだ。
ちょっと、一息つけるかと思ったら…
「沢田さん。治療費の事なんですが、無料になりましたのでご心配せずに」
草壁さんの口から、爆弾発言きたっ!
「えぇっ!な、なんでですかっ?」
「さっきの群れに、僕が来たいきさつ話したら、勝手にタダにしてくれたよ」
(雲雀さんの権力、半端ねぇ;;;;;って、そうじゃなくて)
「で、でも…悪いです!迷惑かけたの俺なのに、こんな事してもらう訳いきませんっ!」
「甘えりゃいいじゃねぇか?お偉いさんが勝手にやった事だし」
「リボーンは黙ってて!」
「彼の言う通りだよ。病院側が勝手にやった事だから、僕は関係ない。君が、お会計をしようとしても、受け付けてもらえないだろうね」
「…そんなぁ…」
物凄く、罪悪感に包まれてしまう。小心者の自分には、心臓が痛くなる事態だ。
「治療も済んだなら、僕はもう行くよ。草壁、お腹がすいた。昼食をとったら、市長の所に行くよ」
「はい、恭さん。沢田さん、お大事に。リボーンさん、お元気で」
そう言って、席を立つ二人。
「えっ!?あ、あ、あの待っ…待って下さいっ!」
「…何?」
雲雀さんの、鋭い瞳に睨まれながら、俺はとんでもない事を言った。今、思うと何でこんな事言ったのだろうと、首を捻りたくなる。
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