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天魔狂想曲
第1章 変革1
少し肌寒い朝、もうすぐ本格的に冬が訪れようとしている、東京のある場所で今日も、一人の少女が熱心に掃除をしていた。
箒で床の埃を掃い、椅子やオルガンを雑巾で丁寧に拭いていく。

一通り掃除が終ると、彼女は用具を片付けエプロンを外し、首から下げているロザリオを出し、手に絡ませ十字架の前で祈りを捧げ始めた。

どれぐらい祈っていただろうか

教会のドアが音をたてずに少し開く。

目を閉じていた彼女はふと、後ろに誰かの気配を感じた。その瞬間…

「ワッッ!!!」
「キャッッ!!!」

振り向いた少女は、ニヤニヤ笑っている少女と目があった。

「もう…驚かさないで!心臓に悪いわ。夏葉ったら」
「ごめん、ごめん!!だって百合ったら何時までたっても、こっちから戻ってこないんだもん。もう朝食の時間だよ?だから呼びに来たの!皆、待ってるし学校遅刻しちゃうよ!」

教会のドアに鍵をかけ、二人は歩きだした。

「それにしたって、普通に呼んで!夏葉はビックリさせたかっただけでしょう?」
「まぁ…そうだけど。でもいつも少し声かけただけじゃあ、百合気付かないじゃん?毎日、毎日本当に熱心だよね、掃除もお祈りも!!」
「熱心って言うか、もうクセなのよ。それに掃除をする事は好きだし…」

少し恥ずかしそうに百合は髪をかきあげた。セミロングの黒髪が揺れる。

「ふ〜ん。そういえばいつも何をお祈りしてるの?」

ふと気がついた様に、夏葉が尋ねてきた。百合は一瞬 (きょとん) とした目で夏葉を見たが…

「内緒!!」
「え――っ!!ずるいっ教えてよっ!」

夏葉は軽く百合の背中をポカポカと殴る。百合は少し小走りになって

「ほらっ!早く行かないと朝食が食べられないんでしょう?行きましょう、夏葉!」
(もぅ〜百合ったらはぐらかしたなぁ〜)

夏葉は、百合の跡を追いながらも、確かにお腹の虫が煩くなってきたので、これ以上の追求はまたの機会にしようと思った。

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あきゅろす。
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