小説
あこがれ
いったい何を話しているのだろうか。
目的を見失った口論はただの互いの批判会に変わり果て、批判会はもはや自己主張のし合いになっていた。
やだ。気持ち悪い。
わたしはペットボトルのお茶をだらしなくグビグビと喉の奥へ押しやった。しずくが、たれた。手でそのまま拭った。だれも私を見ていなかった。
楽で良いけど、五月蠅いんだよなあ。
時々思い出したように私を見ては、私のおやつを盗み食いした。平気顔。睨んでやる気力さえない。わたしはお前らみたいにはなりたくない。
はああ、つまんない。
来なきゃよかった。
耳を塞ぎ、外を見て、あこがれてたあの頃の自分を思った。
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