novel
2
しばらく2人でにらみ合ったが結局、私の方がおれた
「はぁ‥今日だけだよ?」
そうつぶやいた瞬間、カイトの顔に笑顔が溢れた
さっきの泣きそうなのはどこに行ったんだか
「マスター、おやすみなさい」
「はい、おやすみ」
シングルベッドに2人はキツい
どうしても肩が触れ合ってしまう
だけど、カイトは嬉しそうだ
へぇ…ボーカロイドっていうだけあってちょっと人より堅いな
そんなことをウトウトしてる頭で思っているとカイトが声をかけてきた
「マスター」
「ん?」
「マスターは温かいですね」
ポツリとこぼした言葉がなんだかとても私の心に響いた
ふと、私はカイトの頭へ手を伸ばす
分からないけど‥とても、そうしたい気分になった
くしゃくしゃと髪をなでるとカイトは気持ちよさそうに目を閉じる
あぁ、そうか
「大丈夫だよ」
その一言を伝えたくなったんだ
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