novel
1
どういう訳か、機械…ボーカロイドとの奇妙な同棲生活が始まった
一気に色々説明されて、まだ事態を完全に把握していないが、しばらく彼と暮らす必要があるようだ
まぁ、お礼が出るならしかたない
…なんか自分が小さい人間に思えたが気にしないことにしよう
とりあえず、二人で一緒に夕飯を食べた
と言っても余り物で簡単にすませただけなのに、カイトは「おいしい」と言って嬉しそうに食べてくれた
案外、良いやつなのかもしれない
さっき酷い扱いして悪かったな…
そんな風に思い始めた矢先、とある事件が起こった
* * * * *
それは就寝前のこと
「だーかーら!なんで一緒なの!?」
「一緒だからいいんです!」
カイトに毛布を渡して、申し訳ないけどソファーで寝てくれと言ったのに彼は私のいるベッドの側から離れない
そう、コイツは一緒に寝ると言ってきかないのだ
ガキかっ、と突っ込むもカイトは駄々をこねている
「俺、うるさくしませんし…あ、あとっ!子守歌もインプットしてあるから歌えます」
「子守歌とかいらないから」
さすがにこの年になって添い寝とかない
ましてや知り合って間もないボーカロイドといえども男女だ
あり得ない
なんで彼はこんなにムキになるんだろうか
それに、なんでこんなに悲しそうなんだろう…
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