novel
2
そして今、私はドアの前にいる
隣の人に声をかけるか、もしくは警察に連絡してからの方がいいか、などと考えながら気を落ち着かせるために深呼吸をする
……よし
もしも私の消し忘れだった場合、とんだ恥さらしだ
万が一の事態になったら手に持っているバッグで応戦するか、絶叫すりゃ何とかなるだろう
意は固まった
私はそっとノブに手を伸ばす
すると触れる直前にノブがひとりでに回り、勢いよくドアが開いた
いきなりのことで、私は慌てて後ろに飛び退く
「マスターっ、お帰りなs」
突如現れた男性を私は力一杯バッグで殴り逃げ出した
駆けながら携帯電話で誰かに連絡を入れようと開くとナイスタイミングで父から電話がきた
「父さんっ、今…家に変なんヤツがっ」
走ってたからかなり息が苦しい
ぜいぜいしながら言い終わり、そして場違いな明るい父の返事
「あ、会社で開発したボーカロイド置いといたから。面倒よろしく頼むわ」
……………はい?
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