novel
1
カイトを預かる上で報告書を定期的に書いている
報告書といっても日記と家計簿の中間のもので、「○○ということがあった」「今回の請求は××円で詳細は…」といった感じだ
その報告書はカイトが会社に定期検査および報告という名目で会社に持って行ってる
そして、今回の報告から帰ってきたカイトは大荷物を持って帰ってきた
「なんぞ……これ」
「俺も知りません……。マスター、報告書に何書いたんですか?」
「へ?」
カイトが言うには私の書いた報告書に目を通した社員Aがこの荷物をよこし、「よし!問題解決!!」と言ったそうな
なんかマズいこと書いたっけ…?と考えながらカイトが持ち帰ってきたダンボールを開ける
「あ、これか」
「何が入ってたんですか?マスター」
「ん、海パン」
「ひゃわ!?」
…随分と高音が出るものだ
箱の中には海パンやタンクトップ、浴衣に甚平まで入っていた
ご丁寧に草履などの小物も入っている
「なんで、こんなに……」
カイトはダンボールを覗き込んでポカーンとしてる
「さて、カイトに質問です」
「は、はい」
「今の日本は春夏秋冬のどこの季節だ?」
「夏…です」
「正解。では次の問題
カイトの普段着…いつものコスチュームは長袖or半袖?」
「長袖ですけど」
「正解。つまりはそういうこと」
まだ理解しきれてないようだ
カイトは首を傾げて固まってる
うむ、回りくどかったかな
「あの格好は見てて暑苦しいから衣替えってこと」
ストレートに言ってみたところ、納得した後に「暑苦しいって…」と落ち込んでる
相変わらず感情豊かだな
確かに報告書に「見てて暑苦しいんでなんとかして欲しい」と書いたが、まさかこんな処置を受けるとは思わなかった
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