novel
1
初めてのマスターとの外出
食料や日用品の買い出しだって構わない
ただ、千聡と二人で普通に外を歩けるって事が俺には幸せに思えるんです
* * * * *
「あれ?マス…千聡。食料品はあっちですよ」
うーん、まだ呼び慣れない
もっとたくさん音にしたいのに照れが発声を邪魔する
「食べ物は最後。その前にカイトの服見なきゃ」
「へ?」
我ながら間抜けた声をあげてしまった
服って、…俺の……?
「どうせ支給品って2着ぐらいなんでしょ」
「え…あぁ、はい。そうです」
「そんなんじゃ気軽にお使いも頼めないだろうから、新しいの買いなよ。後から会社には請求書出すし」
通常ならマスターのちゃっかりしっかり具合に感心するところだが
「〜千聡っ」
「な!?」
まさかのマスターからのプレゼント(と思い込む)に俺の喜びのゲージは満タンになった
嬉しすぎて思わずマスターに抱きつく
「ありがとうございます!!」
「ちょっ、こら!離れろ」
もっとギュッとしてたいけど、ほどほどにしないと殴られそうなので体を離した
少しは落ち着け、ってお小言をもらったが俺にはそれさえ嬉しい
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