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novel
KAITO side

14日の日にチョコと一緒にもらった手紙
その中に入っていた「何でもワガママ聞いてあげます券(17日まで)」
てっきり、アイス(できたらドルチェの)かと思っていた俺はびっくりした
けど、マスターが色々考えて、悩んでくれた結果なのかなと思うととっても嬉しかった


最終日の今日までかなり悩んだ
悩みぬいた俺の結論は「マスターと一緒に散歩すること」

予想外のリクエストだったらしく、マスターは目をぱちくりしていた
俺だってアイスのことばかり考えてるんじゃないんですよ?

* * * * *

外出用の服に着替えてからマスターと一緒に近くの公園へ行く
柔らかな日差しが心地いい

途中、マスターが「楽しい?」って尋ねてきた
あたりまえじゃないですか
だってマスターが隣にいて、一緒に歩いて、俺の名前を呼んでくれるんですよ
それに、マスターのこと千聡って呼んでも許されるんですから


「…あ」


ひとつ忘れてました
今日ぐらい、許してもらえますよね

俺はそっとマスターの手に触れる


「手、つないでもいいですか?」


マスターは恥ずかしそうに「今日だけ、特別にね」と言ってくれた
ありがとう、誕生日

しかも、マスターがそっと握り返してくれた
へらへら笑って見えても、今すごいドキドキしてるんですよ、俺



だって、あなただから



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