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novel
master side

「ホントにそれでいいの?」
「はい!お願いします」


今日は2月17日
そう、カイトの誕生日(セカンド)である

本来ならば14日(ファースト)にプレゼントを渡すところだが、プレゼント候補がアイス、ダッツぐらいしか思い浮かばなく…
しょうがないので、チョコと一緒に「何でもワガママ聞いてあげます券(17日まで)」というお子様じみたものをあげたのだったが、根が単純なのかカイトはそれをひどく喜んだ

そして最優有効日の今日
カイトからの要求は


「一緒にお散歩行きましょう」


であった
31のキングをトリプルあたりかと予測していた千聡は驚いたが、とくに反対する理由もないのでカイトに外出用の服を着させて近くの公園に向かった
さすがにあの目立つ格好で外に出すわけにはいかないので、外出のたびに千聡プロデュースのカジュアルな服装に着替えるのである

* * * * *

今日は2月にしては暖かく、穏やかな気候で木々に囲まれた公園内を歩くのは心地よかった
二人してぶらぶらと公園内を歩く
しかし、何かしら用があるのかと考えていたが、カイトの様子を見る限りそうではなさそうだ


「ねぇ、カイト」
「なんですか、千聡」


外では周囲に違和感を与えないようにカイトは千聡のことを名前で呼ぶ


「楽しい?」
「はい、楽しいですよ。…あ」


何かを思い出したような声を上げたと思った次の瞬間、千聡の右手はカイトに握られていた


「手、つないでもいいですか?」


「すでにつないでるじゃん!」と普段なら恥ずかしくてどついてるところだが、今日は特別ということで素直に手をつないでやる
それが嬉しいのか、カイトのニコニコ率は上昇した


この笑顔に弱いんだな、私


そんなことを思いながら千聡は右手の指にそっと力を込める



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あきゅろす。
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