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novel
1

かすかに漂う食欲をそそる香りに千聡は空腹を覚え、重たい瞼を開いた
すでに隣にはカイトの姿はなく、まだ寝ぼけた頭でいろいろ考えをめぐらせながらキッチンへと向かった

なんか、お礼という言葉を聞いた一時のノリで承諾してしまったけど、これからの生活ってどうなるんだろ

キッチンに入るとそこには案の定カイトの姿があった


「あ、マスター!
おはようございます」
「おはよ…っておぉぉ!!?」


千聡の目の前にはおいしそうに湯気をたてている朝食が用意されていた
しかも、和食


「こ、これ…全部カイトが作ったの?」
「はい!…あ、和食嫌いでしたか?」


心配そうなカイトに千聡は首を横に振る
独り暮らしな上、朝が弱い千聡の朝食はたいていシリアルか買い置きの菓子パンであった
温かいご飯を朝から食べれるのはかなり久しい


「お味噌汁とか久々だぁ」


自然と笑みがこぼれてしまう
そんな千聡をカイトは目を細める



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