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07.Movement





その頃、
神羅カンパニーでは混乱が起きていた。

ウータイ兵がミッドガルを走る神羅列車をジャックしミッドガル中を危険に曝していた。

もちろん赤信号なんて無視。
最高速度まで加速し信号の遮断バーをド派手に破壊し、突破した。





『―――神羅列車ムカ九三式〇参をウータイ兵が占拠』



緊迫した空気が辺りを敷き詰める。
一機のヘリが暴走列車を追尾し作戦の指示を待つ。



『列車はミッドガル八番街方面へ向かっている』



『これよりソルジャーを投入し 事態の収拾を図る』



『作戦内容に変更無し』



片手に嵌めた時計に皆手を合わせ指示を待つ。
段々と気持ちが高まる。
黒髪の少年も例外じゃない。



『時計あわせ 3 2 1 マーク

ミッションスタート!!』



『ソルジャーは投下準備よろし』







遂に命令が下った。

すると後ろから声をかけられた。
振り返らなくてもわかる。
何度も一緒に切り抜けてきた先輩であり戦友、アンジール。



「列車はウータイ兵に占拠されている
速やかに排除し列車を奪還せよ」


簡素かつ明解に。
彼らしいわかりやすい説明。



「りょ〜〜か〜い!」



ザックスは軽く振り返り真剣な彼に緊迫した声音とは裏腹に軽く挨拶を交わすと暴走列車へと飛び降りた。

注意の声はヘリの音に掻き消された。














スバルが神羅ビルから逃亡してから早数日―――



戦争は終わった筈なのにウータイ兵が再び乗り込んできたのだ。



おそらくその理由は、





『第137代目現当主、陰陽族の最期の生き残りであるスバル・スメラギの奪還』





あの後、プレジデント新羅から俺達3人を含め最高幹部へと告げられた事実。

お陰でザックスのミッション失敗は水に流されたのはいいが、そんな重要な人物を俺達はトリカゴに入れていたなんて――…

神羅の悪趣味振りには内心呆れた……
















以前もあったな、こんなミッション――…






「ザックス!」






振り向くと同じ列車へ降り立ったアンジールの姿。

そうだな、今はミッション中。

失敗は許されない――






「集中、だろ?」

「あぁ、この列車に新羅の兵士は乗ってない。ましてやあっちは当主を奪われて気が立っている」

「……へへッ」






楽しそうに笑いザックスは列車の屋根を走り出した。

そこにあったのは

闘いに魅せられたソルジャーの瞳であった――






















――――――――――――……









神羅ビル最上階。

プレジデント神羅は数日前帰還し、途中ヘリを襲われソルジャー・クラス1stをも凌ぐ力を持った者達の存在を知り苛立ちを覚えていた。





「何なんだ奴らは!!!」





実は1stを倒した者達はウータイの者。
他にも一般兵もいたのだが歯が立たなかった。しかもたった3人の男女にやられたのだ。

ただ事ではない。





「キャハハハハッ……プレジデント様、大丈夫ですわ。私達には"アレ"があるではないですか」





甲高い女性の笑い声。
スカーレットは会議室のボードに張ってある計画書を指差す。





「そ、そうだな!奴らなどアレで焼き殺してやる!」

「キャハハハハッ!そうですわ、プレジデント様!アレに勝てるものなどいるものですか!!」















それは

"シスターレイ計画"―――…










ゆっくりゆっくりと、

運命の歯車は動き出していた。




















『列車識別ナンバー ムカ九三式〇参式を壱番魔晄炉付近の壱番街ステーションへ誘導完了』



『作戦を第2フエーズへと移行し監視権限をランク―――』




end

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あきゅろす。
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