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17.chagrin






『敵のウータイ兵らしき3人、46F突破!!!ソルジャーは49Fソルジャーフロアで待ち受けろ!!!残りの一般兵は48Fまででなんとか廃除するよう努力しろ!!!』



無線で常時指示が送られる。

荒々しい様子からわかるように司令官ですら前代未聞の出来事に余裕がない。



現在、クラウドは48Fにいた――…



手には実戦用の神羅製の銃。
新人兵はこれが初めての実戦となった。

まさかそれが神羅始まって依頼の強敵が相手など思ってもいなかった。

クラウドは息をのんだ。






『46、47突破!!!来るぞ!!!!』



司令官から指示が入る。
クラウドは入口目掛けて銃を構えた。
















(クラウド…ヘルメット……、…髪…)













…あれ?

なんか忘れているような…














ドガッ、ガシャーン!!!!!







階段口から炎が上がる。

するとそこから金、ピンク、赤の色を交えた髪をした男女3人組が現れた。



『全体構え!!!奴らを殲滅しろ!!!』



皆一斉に敵へと飛び込んで行った。
クラウドも様子を伺ながら飛び出すが周りに押しのけられ壁へと激突。



「なんやァこの会社は猪突猛進がモットーなんか?」

「単純で可愛いじゃん(笑)」

「……邪魔なら廃除するだけだ」

「…せやな」



金髪の小さい奴がデカイ扇の武器を振りかざし振り抜く。
すると突風が起こりほとんどの兵士が吹き飛ばされた。



―――すごい



純粋にそう思った。
クラウドは意識が朦朧としながらもどうにかして止めなきゃと立ち上がり敵に向かう。

するとピンク髪の少女の鎖鎌が反射的に飛んできてクラウドのヘルメットが破壊された。

しかし彼は怯まず金髪の小さい少年に体当たりをかました。



「わわっ!;
兄ちゃんやるなぁ?」

「……ヒバリ行くぞ」

「はいはい。…トラ、落ち着けや」



体当たりなんか効くはずもなくクラウドは赤い髪の混じった大男、トラに摘み上げられた。

すると自動的に彼と瞳が合う。
おかしい。視界が明るい。


………あ、ヘルメットないからだ。





「金髪…珍しいな」



周りではピンク髪の少女が一般兵を片付け終えていた。

鎌には赤い血が…



「あらら、珍しいの見付けたわねトラ」

「…アイツが好きそうな綺麗な瞳だ」

「せやなァ。スバルは純粋な…



………ッ!マオ!!トラ!!」










ドクンッ…………






ドクンッ……







――――――キュイィィィィィィィン……!!!










3人の目の色が変わった。

それは血に染まった怒りと焦りの色に―…。











「第一解放や……何かあったで!!!」

「……金髪くん、キミは生かしてあげるよ。
きっとキミを殺したら、あの子泣くから…」

「行くぞマオ!!!」

「うっさいわね!!言われなくてもわかってるわよ!!」



3人はクラウドを殺すことはなく最上階へ繋がるエレベーターへ乗り込み天井を破壊する。
すると金髪の小さい少年、ヒバリが扇で風を起こし三人とも扇に乗り一気に上へ向かって行った。






ヘルメット…、髪…
そうかスバルはこのことを言っていたんだ…。

スバルに生かされた。

クラウドは悔しくて唇を噛み締めた。



「俺は、弱い…

強くなりたい」































―――65F付近。

ザックスはエレベーターに乗り急いで下へと急いでいた。



ガコンッ……



しかし突如エレベーターが止まる。
ボタンを押すが反応がない。



「マジかよー;」



いくら押してま反応がない。
ザックスは仕方なくエレベーターの天井の扉を開け飛び乗った。

すると何故か下から突風が吹き荒れてくる。





「なんだこれ…

…って、うわッ!?」



尋常じゃない突風。
それと共にデカイ剣がザックス目掛けて飛んできた。
まさかそんなものがとんでくるとは思わずなんとかギリギリで避けた。
髪が少し切れ宙に舞う。


し、死ぬかと思った;


体制を整えるとデカイ男が変な扇から降り立った。





ダンッ!!





間近で見ればザックスと身長はさほど代わらない、が。

先程投げたであろう大剣を手にする姿はまさに大男という言葉がよく似合う。





「お前は敵か…」

「さぁ。…アンタは誰だ?」

「…答える必要はない!」



近距離戦。
男は大剣を振り抜きザックスへ切り掛かる、それにザックスも剣を抜き受け答える。

重力がハンパない!!!



弾き返す中、ふと男の服装に見覚えがあることを思い出す。






これは――…そうかッ!






「ちょっ、ちょっとタンマ!
もしかしてアンタ達スバルの仲間か?」

「…貴様ッ…スバルはどこだ!?」



「ちょ、乱心し過ぎだよトラ;」



扇の上からピンク髪の少女、マオが口を挟み降り立った。

人数は丁度3人。

スバルが言っていた仲間に間違いないだろう。



「…お兄さんスバルの居場所わかるんだ?」

「おーよ。俺はスバルに頼まれてアンタ等を止めに来たんだ」

「へぇ…根も葉も無い嘘だね、証拠は?」



ザックスは先程スバルに映写された右手の掌を突き出した。

そこには牡丹が、牡丹の華の紋が描かれていた。



「…間違いない、みたいね」

「オラオラオラオラ!!!
そうと決まれば貴様等はよ乗らんかい!!!!急がなスバルがもたへんで!!!」

「は?もたないって…アイツに何かあったのか!?」

「ごちゃごちゃうっさいわデカ犬!はよ乗れや!!」

「Σデカ…ッ!!?」



ザックスは大男に捕まれ扇に乗せられた。
どうやら金髪の少年の言葉が気に入らなかったらしくむくれている。
しかしそれを無視するかのように他の二人が乗り込むと風が吹き荒れ一気に急上昇した。









「…スバルッ無事でいてくれ…!!」






end

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あきゅろす。
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