魚の骨のバースデイ そう、しいて言うなら魚とご飯を一緒に食べて、魚の骨だけが喉に引っかかった感じ。 お前を初めて見たときそう思ったよ。 そう言ったら、 「俺は魚の骨ですか」 だって!絶対笑うところじゃないのにオレってば大爆笑しちゃってさぁ! 「オレ、タケがだいすきだよ」 ぷぷ、と口を押さえてたら呆れたように溜息が聞こえた。 「…なんで、魚の骨みたいなんですか」 振り返ったらタケが割と真面目な顔してたからまた爆笑。 あー、やっぱすきだよ。 「あのさ、ご飯と魚って一緒に噛んで飲むと食道通るじゃん。でも引っかかった骨は違う。喉に刺さってそこに残る」 よーするな話、お前は他とは違ったよってことだ。 「…光栄に思うところですよね」 「それはタケしだいだけどもさぁ」 また笑いが漏れる。タケも声に出さないけど笑ってる。 あぁ、いいね。こーゆーの。 すごくいい。 「あ、 言い忘れたけど、誕生日おめでとう」 「ありがとうございます」 「プレゼントはオレ、」 「はい?」 「っていうオチはないから」 「……はい」 (あ、期待しちゃった?なーんちゃって!) 魚の骨のバースデイ [return][next] |