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聖闘士☆矢(年齢制限なし)
もしも聖域のオフィスがOA化されていたら(シャカサガ)腐向け
 聖域がOA化されていたらこんな感じかなあという妄想ネタ。
 原作終了時の1990年を基準にすると話の辻褄が合わないのでお蔵入りにしてましたが他に更新出来そうな話がないので上げてみます。
 
 聖域内、執務室。
 小宇宙を蓄積するため目を閉じていることで有名な乙女座のシャカは、書類を読む時だけは目を開けているが、書類を作成する場合はブラインドタッチでなんら問題はないのでやはり目は閉じたままだ。
 光速でキーボードを打つとパソコンが故障するため、パソコンの性能の限界よりはいくらか遅めにキーボードを叩き、文書を作成していたシャカは開眼して印刷プレビューを確認すると、満足そうに文書を保存した。
「教皇猊下、御決裁を賜りたい」
 サガは苦虫を噛み潰したような表情になった。
 教皇シオン時代には、手書きの起案書を持参してその都度決裁を受けていたサガにとって電子決裁というシステムは未だに許せないのだ。
「何か不備でも?」
 ケチをつけようのない完璧な書類をあっという間に作ったシャカにからかうように言われるとサガはカッとなった。
「二枚目の三行目の言い回しはおかしいのではないか」
 無理やり難癖をつけると、シャカはいつものようにフッと笑った。
「不備があればどうぞ差し戻して下さい」
 差し戻したところで、往年のサガやアイオロスと違って、シャカはむろん手書きする訳ではないから修正作業はたやすいだろう。
 サガは時間を巻き戻せるものなら巻き戻して聖域のOA化と電子決裁導入を取りやめたい気分になった。
「……」
 サガが無言で差し戻しを選択すると、文書は担当者に返された。
 シャカはザッとチェックして修正を始めたが、短時間でそれを完了し、保存すると自席から立ち上がった。
「どうした、シャカ」
 乙女座のシャカはサガに対して基本的に従順だが何を考えているか分からない部下である。
 扱いにくいが仕事は出来るので使わない訳にはいかない。
「電子決裁というのも良し悪しですね。自席から立ち上がらずに用が足りるので同じ部屋にいながらパソコン越しに会話するようになる」
 全ての書類に番号とタイトルがつけられ、どこにあるかも一目で分かるようになっているから、便利には違いないのだが、と続けたシャカはサガの席まで歩いてきた。
「そうだな」
 サガはシオン時代の勤務状況を思い出していた。
 会計帳簿の訂正に修正液を使ってはいけないと言われたことや、こことここの順番を入れ替えろと言われて書き直しを食らったことなどが昨日のことのように思い出された。
「味気ない時間はこれで終わりにしましょう。仕事も終わったことですから二人でコミュニケーションを深めるべきです」
 シャカはサガの背後に回ると法衣の中に手を入れ、サガの素肌に触れた。
 サガはビクリと震えた。
 いつの間にかシャカの目が開いている。
 天舞宝輪の射程圏内で暴れてもムダなことだ。
 サガは自分に言い訳をしながら目を閉じてシャカの愛撫に身を委ねた。
 サガのパソコン画面は、執務室にサガのなまめかしい喘ぎが響く頃にはスクリーンセーバーに変わっていた。





 オフィスにおける世代論。
 電子決裁導入前は紙に印刷したものを持ち回り決裁して歩いたので修正箇所が見つかると大変でしたね、といった話から、いや、パソコンが入った後の人たちはまだいいよ、全部手書きしていた頃はこことここの順番を入れ替えろとか言われると大変だったんだなんていう話が職場で飛び出して大いに盛り上がったことがありまして、そこから浮かんだネタ。
 原作のシオン教皇時代は1970年代だと思うのでまだ手書き世代でもおかしくないかと。
 1980年代に入るとパソコン導入されてた会社は多いと思うし、年小組がパソコン導入後世代でも問題ないでしょうけど、確認したら各社で電子決裁が増えたのは星矢の原作終了より後の時期なんですよね…
 サガ生存中の話と考えると時代背景が合わない。
 この話はサガが生き返った後の話と考えるか、聖域の電子決裁システムは聖闘士が独自にいち早く構築したことにすれば、一応辻褄は合うのかな。
 どちらでもお好みの方で納得してやって下さいませ。

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あきゅろす。
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