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聖闘士☆矢(年齢制限なし)
きっかけは?(2012年シャカ誕記念、シャカデス)腐向け
 シャカとデスマスクが付き合っていると発覚して間もない時期の二人。
 でも何故かすっかり夫婦漫才の空気が漂っています。
 シャカ誕生日おめでとう!!

 蟹座のデスマスクと乙女座のシャカが付き合っている。
 聖域内でその噂が流れた時、あのシャカに付き合える人間がいるのかという驚きはあったにせよ、おおかたの人々からはさもありなん、という反応しか出なかった。
 理由はいくつかある。
 同じ教皇派という政治的立場に、宮が近い。二人とも冥界へ行き来可能な技を持つ=修行時代にも多少の接点があったこと、任務のために生じる犠牲をなんとも思わないらしいメンタル面の類似性などから、似た者同士の彼らがくっつくのは特に驚くには値しないと思われたのだ。
「参考までに聞かせてくれ。シャカと付き合った決め手はなんだ。口説き文句は何と言ったのだ?」
 誰か思う相手がいるらしい山羊座の同僚に質問責めにされ、デスマスクの顔が引きつった。
「決め手は…そんなこと恥ずかしくて言えるか!」
「今更恥ずかしがるようなタマか。さっさと白状しろ」
 シュラに三白眼で迫られ、デスマスクは思わず後ずさりした。
 マズい、非常にマズい。

「…せ、せきしき冥界波!」
 シュラを冥界に送り込み、デスマスクは冷や汗を拭っていた。
「…誰か来ていたようだが」
 シャカに真後ろから話しかけられ、デスマスクは文字通り飛び上がった。
「お、脅かすな」
 シャカは眉を寄せた。
 シャカは気配を消すのが上手い。
 しかしそれはあくまでも無意識にやっているだけであり、本人は気配を消そうとして消している訳ではないのでこの反応ははなはだ心外なのだ。
「…誤魔化すな。私に隠し事をしようなどとまさか本気で思ってはいまい」
 技のデパートであり、精神系の技を持つシャカと持たないデスマスクでは最初から勝負にならない。
 デスマスクはあっさり白旗をあげた。
「シュラが、聞きに来たのさ。お前と付き合った決め手やら口説き文句やらを」
 シャカは鼻を鳴らした。
「ほう。教えてやったのかね?」
 デスマスクは苦笑した。
 そんなもの、悪友に言える訳がない。
 シャカは見た目だけなら汚れを知らぬ美青年にしか見えないから、絶対勘違いされている気がする。
 …デスマスクの方がシャカを口説いたのだと。
「そんなこと言えるか。…お前は誰かに何か聞かれてないのか?まあお前に聞けるような命知らずはそうそういないだろうがな」
 シャカは微笑した。
「そういえば、君と付き合い始めたきっかけはなんだと数人に聞かれたな。君を好きだと私から伝えたのだと答えたら一様に驚かれた」
 シャカはなんでもないことのように淡々と語った。
 デスマスクは溜め息をついた。
 きっとみんな、シャカの見た目の麗しさに騙されているに決まっている。
 告白がシャカからだったということは事実だが、君を好きだ云々に関しては恐ろしいほど端折りすぎていて、真相にはほど遠い。
「…お前は自分から告白するようには見えないからなぁ。で、その他にはなんか言ったのか?」
 シャカは肩をすくめた。
「何も。好んで噂話の材料になってやるほど私は慈悲深くないのでね」
 中途半端に火種をまいてサッサと退散してきたというのか。
 シャカは相変わらず唯我独尊というか自己中心的ないい性格をしている。
「勘弁してくれよ。お前にそれ以上聞く勇気ない奴らが全部オレに来ちまうだろう」
 シャカはフフフと意地悪そうに笑った。
 取り澄ましたような冷静なシャカしか知らない連中はなかなかこういった顔を見る機会はないだろう。
 ごく限られた人間しか知らないシャカの素顔を知っているというのもなかなか悪くない。
「しょうがねえ、惚れた弱みと思って耐えることにするよ。その前に」
 デスマスクはシャカに吐息がかかるほど顔を近づけて言った。
「手付け金をもらおうか」
 口角を吊り上げたデスマスクに、甲殻類が口角を上げたとかしょうもないことを考えながらシャカは言った。
「君はずいぶん強欲だな。誕生日の人間から金を取ろうとは」
 冗談が通じてない様子で非難するシャカにデスマスクはウインクしてみせた。
「誕生日だからお前にいい思いをさせてやるって言ってんだよ。オレと天国へ行こうぜ?」
 六道輪廻を使うシャカにとっては天界など珍しくもなんともないが、デスマスクを天国に誘うのは好きだ。
「そういうことか」
 シャカはフッと笑ってデスマスクのズボンのファスナーに手をかけた。
 清純そうな見た目に反し、手が早いシャカにデスマスクは苦笑しながらも期待して性器が硬くなるのを感じた。
「誕生日おめでとう。お前と一緒なら一度きりの人生を楽しめそうな気がするよ」
 軽い口調で祝いの言葉を述べたデスマスクに対するシャカの返事は濃厚なキスだった。
 今夜は眠らせてくれないんだろうなとデスマスクは考えながら、いつしかキスに溺れていった。

 20000ヒットのリクエスト企画の際、シャカデスかシャカ瞬というリクエストをいただいたんですが、その時は力不足でどうしても書けなくて涙を飲んでシャカ瞬にさせていただいたので、宿題になっていたカプでした。
 先月もシャカニがお好きな方からコメントをいただいていたので試しに一つ仕上げてみました。
 シャカ、誕生日おめでとう〜。
 シュラの片思いの相手はアイオロス、アイオリア、カミュ、アフロディーテ、サガの誰かでしょうか。
 シュラの攻め受けはあまり追及しないで曖昧に流してます。

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あきゅろす。
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