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聖闘士☆矢(年齢制限なし)
30000ヒットキリリク(ハーデス編リアシャカ)腐向け
 ハーデス編をアイオリア視点で見た話です。
 同じ画面に映る場面が一度もなくリア→シャカどまりに見えるような話ですがそれでもいい方はお進み下さい。


 最強と言われた黄金聖闘士達が冥衣を纏い、聖域に侵攻している――。
 既に牡牛座のアルデバランの小宇宙も消えた。
 守護者不在の双児宮、巨蟹宮はすぐに抜かれるだろう。
 獅子座のアイオリアは、未曽有の危機に硬い表情で獅子宮の入口に立ち、彼らを待ち受けていた。
 双児宮には何故かサガとよく似た小宇宙が立ち込め、しばらくはサガ達を足止めしていたが、やがて教皇の間へ攻撃的小宇宙が発せられるとついに双児宮も抜かれた。
 しかし、巨蟹宮にやすやすと到達したはずのサガ達はアイオリアの予想に反し、なかなか出てくる気配がない。
(いったい、無人の宮で何が起きているというのだ?)
 訝しむアイオリアは下の巨蟹宮から攻撃的小宇宙が立ち上るのを感知した。
「先ほど教皇の間へ落ちたものと同じビッグなやつが…今度はこの獅子宮を通り越してすぐ後ろの処女宮に向かっている!」
 アイオリアは次の処女宮を守るシャカの身を案じた。
「危ない、この至近距離では処女宮だと粉々にされるぞ!シャカ!!」
 アイオリアは夢中で警告を発した。
 しかしその瞬間、シャカの処女宮とサガ達の現在地の巨蟹宮の中間地点にいるアイオリアは、シャカの小宇宙が急速に増大するのを感じていた。
 双子座のサガのギャラクシアンエクスプロージョンの破壊力は強烈だったが、シャカは己の周りに球形の防御壁を敷いて完璧にガードしていた。
「天魔降伏!!」
 サガの攻撃を完璧に防ぎきると同時に即座に反撃したシャカの天魔降伏は教皇の間でアイオリアと対峙した時とは比べものにならない威力だった。
 その凄まじい力は、巨蟹宮を瞬時に廃墟に変えるとともに、サガ達の小宇宙を消し去った。
「やったか、シャカ?」
 隣同士の宮でしか聞こえない微弱な小宇宙通信でアイオリアが尋ねると、シャカは答えた。
「いや、恐らく彼らは生きているだろう。気をつけろ、アイオリア。私も小宇宙を遮断して臨戦態勢を整える」
 シャカはそう言うなり、小宇宙を絶った。
 サガが処女宮にギャラクシアンエクスプロージョンを放ってから、このやり取りが終わるまで、わずか数秒間の出来事である。
 敵味方を問わず、離れたところにいる者のほとんどが、サガ達とシャカは遠距離攻撃の応酬で死んだと思うに違いない。
 アイオリアは気を引き締めた。
 これが地上での彼らの最後の会話になるとも知らずに――。
 シャカの言う通り、獅子宮に到達した冥闘士の中にはアイオリアの知る小宇宙が混じっていた。
 油断からミミズに似た冥闘士に拘束されている間に獅子宮を突破されたアイオリアはもどかしい思いで十二宮の石段を上っていた。
「シャカ待っていろ!今このアイオリアが加勢に行くぞ!!」
 息せききって処女宮に到達したアイオリアが目にしたのは巨大な花のレリーフのある金属製の分厚い扉だった。
「なんという重い扉だ…この向こう側からシャカ達の小宇宙を強烈に感じるのに…この扉の向こうにシャカ達が戦っている沙羅双樹の園があるのだ!」
 シャカはブッダの生まれ変わりと言われている。
 そのブッダが入滅…つまり死ぬ時に横たわったのが沙羅双樹の下であり、乙女座のシャカも死ぬ時は沙羅双樹の下と聞いていた。
 いてもたってもいられず、扉を粉砕しようとしたアイオリアを止めたのは牡羊座のムウだった。
「アイオリア、その扉を壊して沙羅双樹の園に入ってはいけない」
「なに!?バ…バカな何を言っている!シャカがみすみす死ぬのをこのまま待っていろというのか!?」
 そんなことはアイオリアには耐えられなかった。
 食ってかかるアイオリアにムウは涙しながら答えた。
「アイオリア、あなたには分からないのか…シャカがそれを望んでいることを…」
 泣きながら言うムウにアイオリアは絶句した。
 決してその言葉に納得した訳ではないが、そんな問答をしている間に小規模ながらビッグバンにも匹敵する威力のアテナエクスクラメーションが炸裂し、シャカの小宇宙が消えた。
「シャカ…お前の敵は討つ!」
 アイオリアは泣きながら沙羅双樹の園へつながる扉の横の壁に拳を叩きつけ、復讐を誓った。
 その復讐心がアイオリアの儚く消えた恋心から生まれていたことを知る者は、誰もいなかった――。


 ムウは巨蟹宮にたどり着く寸前の時点でシャカの小宇宙が消えたことを訝しむ場面があります。
 ミロもムウVSミューのフェアリースロンギング直後時点でシャカが死んだと思ってるらしい場面がありますね。
 しかし、アイオリアには何故かそういった場面がない。
 それはシャカから小宇宙を絶つことを聞いていたからじゃないのかなという妄想ネタでした。
 リアシャカは数年前にはずいぶん取り扱いサイト様の多いカプだったようで、星矢界に2011年に戻って来た私は、閉鎖されたサイト様の多さに再燃のタイミングが遅かったことを悔やんでおります。
 もしかしてどこかで既に扱われていたネタでしたら申し訳ありません。

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あきゅろす。
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