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宝珠遊戯




「向こうでもよく云われてましたよ。足して2で割れたら良かったのにって――あ、でも僕もここが読めなくて」



「―――あぁ、此れは古代文字か。基本はさほど変わっていないが並びが複雑でな……」



拗ねてみる俺をスルーして、アゼルが蒼哉の本を指先で辿りながらする説明も俺には意味が解らない。


古代文字?古文みたいな?

……そんな本寄越してんじゃねぇよ。



あーもー無理。


知恵熱出しそうっつーか頭パンクする。


何だか全てにやつ当たりモードになってきた俺は席を立つ。


学校の授業でさえ出席日数ギリギリまでサボってた俺にこんな異世界文字が解るわけ無い。


これならまだ英語勉強してた方がマシだったかも…


いや、どっちにしろ出来ないとは思うけど。



「――諦めた?」


「――ちょっと休憩ー。続く気がしねぇ」


「まぁ、向こうよりは勉強してる方なんだけどねぇ…」



ここ最近いつものパターンと化している、勉強→行き詰まり→サボりって状態の俺に、慣れきった蒼哉は行ってらっしゃいの一言で本に戻ってしまう。





「出掛けるならベレッタを付けるが?」



「唯の散歩だから大丈夫だって。夕方になる前には戻るし」



アゼルにそう返して、俺は使っていた勉強道具をしまって部屋を出た。


付き添い有りの散歩じゃあ気晴らしにならないし。



つーかぶっちゃけ、忙しそうなベレッタを無意味に連れ回すと何か怖い。


ほら、無言の圧力ってヤツ。




それにしても……



――ココまで解らないとどうして喋れてんのかが不思議だな。






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あきゅろす。
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