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宝珠遊戯
17


「だから、カーディナルは帝都であたし達が保護するつもりなの。地底の民の干渉は不要よ」



パールが俺達からベレッタに視線を移して云う――

パールの声が、ちょっと固くなった気がする。



「――アゼル様が客人として迎えられた以上、貴女方の勝手にして頂く訳には参りません」


ピクリとも表情を崩さないベレッタに、パールが唇を歪めた。


「――50年前に、似たような事言ってカーディナルを連れてったわよねぇ…?結果は?―――あれを繰り返すなんて、あたしは嫌よ」


「……………」


パールの口調にトゲが増える――いや、トゲって云うよりは……何か哀しくて、痛くて…そんなのが混じってる感じ。



「……だから帝都へ、と?唯一、アレらを屠れる者は自分の為に力を使えない。他の守護者に何が出来ますか―――カーディナルに守られるしかない」


「……そんな事…!」



さっきからの会話から、この人達は皆相当歳取ってるみたいで。


……普通の人間とはどこか根本から違うのだと、実感させられた。




「―――カーディナルは」


「へ?」




不意にレイヴンが口を開いたから、2人の間で散る火花に閉口してた俺は一瞬間抜けな声が出た。



「…どうしたい?私達と共に帝都に行きたいか?」


「レイヴン!そんな悠長な問題じゃぁ…」


「うるさい、パール。――カーディナルに聞いている」



問答無用って感じの流し目でパールを黙らせたレイヴンに、俺は蒼哉と顔を見合わせる。



ぶっちゃけどっちと居た所で完全に安全ではなさそうな感じの話になってる。



当初の予定通り帰るにしろ、至宝珠を持ったままじゃぁあの声の主は確実に俺達の所に来るんだろう。





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