[通常モード] [URL送信]

宝珠遊戯
20


寝転んでいたゼンがアゼルの視線でソファに座り直し、改めて俺達を見る。

ちょっと軽い感じの人なんだけど、一応真剣そうだ。


「――オレ達が間違える訳ないんだよね。2人居たのはちょーっと驚いたけど……守護者達の魂の光は強烈だから」


「魂……?」


何を言い出すかと思えば……そんなものどっから出てるんだ?


試しに蒼哉をじーっと見てみたら、ちょっと嫌そうに眉をしかめられた。

何馬鹿やってんだか、って視線で責められてる気がする……

や、だってこの世界じゃ普通なのかもしれないじゃん!?



「――何…?」



「いや、光なんて見えるかなーって……?」



見えないけど。

蒼哉の冷た〜い視線に引き攣る笑みを向けてみる。


そしたら、アゼルが小さく笑って首を振った。



「御前達には無理だぞ?守護者とは言え人間の躯だ。街の人間だって、解らない――俺達はこの世界で云う地底の民……魔族だからな。至宝珠が見えている訳では無いが…人の魂の光が感じられるからな。すぐに解る」



………うわ、今さらっと人外宣言しませんでしたか?


したよな…、うん。


魔族とか云われると無条件に怖い人とか悪い人とか云うイメージがある。

だってゲームなんかだと完全に敵役じゃん?

いや、でも偏見は良くないし……


「――他種族同士が同じ街に住んでいるのが普通なんですか?」


しつこいようだけど蒼哉は随分冷静だ。

まぁ、コイツはひたすら現実主義な感じだしなぁ…


それにしても、蒼哉、さっきからアゼルの方しか見ない……意識的にゼンを避けてるのは気のせいか?


2人は気付いてなさそうで、アゼルは首をちょっと傾げてから横に振る。



「いや?そうそう無いが……そうだな、俺は珍しい方なんだろう。だが、大地界には4種族にそれぞれテリトリーがある。それなりの交流はしているな」


うーん…やっぱ俺はゲームのやり過ぎかね。


天使とか悪魔、みたいな感じで人間とかとは仲悪いかと思ったけど…
違う国の人ってだけな感じだ。


そう云えば助けてくれたのもこの人達だったわ。





[*前へ][次へ#]

20/30ページ

[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!