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宝珠遊戯



―――


「――…はぁ……はぁ…」


どれだけやったかは解んねぇけど、ちょっと息が切れてきた。


まだイケそうでは…ある。

中段に来た蹴りを腕で受け止めて、ぐっと躯を回転させて後ろ回し蹴りを放つ。



――…ぐにゃって、先刻までと違う感触。



「――……え……っ!?」



ニィッと、影にある筈の無い笑みが浮かんだ気がした瞬間。
影の両手から水が吹き上がった――!?


反射的に避けたけど、袖口の服がスッパリ切れてて……名残の飛沫で髪が濡れた。


――――水の属性……?



「…ぅわ…っ…!」



続けざまに飛んできた鉄砲水に慌てて俺は飛び退く。


「何だよコレ…!」


影を囲むように風の壁を作って鉄砲水を防ぐ。


属性の持たせ方なんて知らない筈だぞ俺は!



んな事気にしてる場合でもなくて、俺は水気を含んだ髪を後ろに掻き上げた。


風の壁が少しずつ水に押されて来る中、深く息を吸って両手に集中する。


室内ってのがちょっと面倒だけど土の塊をイメージして……




風が消える一瞬が勝負―――




「……っし……行け!!」




ふっと風が霧散して現れた影を土の塊が包み込む。



内側からじわりと水は滲むけど、ものの1分もしない内に影ごと吸収し終えた土が床に落ちて消えた――――



「はぁ……ったく…何だったん――!!」





―――パンパン……





軽い拍手にはっと気配も何も無い空中を見遣る。




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あきゅろす。
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