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宝珠遊戯
12


「――蒼哉は、どーやってやってんだ?俺よりずっと色々知ってるけど…」


「蒼哉は理論立てた方が覚えが早いからな……俺達の操る術は古からの言葉を使う。其れを簡略化させたものを組み立てて―――」


「だぁ…っ、ストップ!!悪ぃ、さっぱり解んねぇ」


頭パンクする。


物理とか化学の授業を思い出すような頭痛を覚えて頭を抱えると、アゼルが低く笑って宙を蹴った。


慌てて俺も後を追いかける―――あ。アゼル、羽根ねぇな……



「蒼哉は愉しそうだろうなぁ……ガッコでも、難しい問題とか目ぇキラキラさせて解いてたし」


ちょっと早めの自転車くらいのスピードで飛ぶアゼルの隣に並んで呟いたら、ちょっと考えるみたいに間を置いたアゼルが口元に手を当てて笑った―――


「――そうだな……5割は愉しそうで、5割はむくれているが」


「……アゼル。蒼哉までからかって遊んでんだろ。アイツってばキレたらすっげぇ恐ぇんだからな!」


基本優しいのにアゼルってからかいが過ぎる時とかあるもんな。


―――いや、からかわれたりとか蒼哉大っ嫌いだから既にキレたりしてるかも……


「――ふん?…可愛いものだと思うがな」



―――うはぁ………云い切った。

オトナの貫禄ってヤツかー?


「そんなのアゼルだけじゃん?―――あ、でも蒼哉って嫌いだと完全に無視するからなぁ…」


アゼルに素直に教えて貰ってんだから、別に嫌ってはねぇか……


いや、珍しいケド。


蒼哉ってば昔カテキョの先生が気に入らなくて泣かせて帰したしな…



1人で回想してた俺は、ちょっと機嫌良くなったアゼルには全く気付かなかった――――





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