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宝珠遊戯
10



「――アゼルは調べ物してたんだろ?………何か、解った?」


屋敷に戻るアゼルの横を歩きながら訊くと、アゼルはちら、と俺を見てから口を開いた。


「―――闇真珠がどのような物かはやはり解らん。だが……至宝珠のような魂の宝玉だろう。奴らは其れを取り戻したがっている……御前達の両方か、個々に戻す事が可能であってもどちらかを、な」


「……そー簡単に、連れて帰って来れねぇって事か……下手したら俺の方が捕まっちまうんだもんな」


闇帝って奴に逢って、闇真珠を諦めさせるしかねぇんだ。

多分、闇帝は夢で俺達をずっと探してた奴。


―――あんな怖ぇ奴と、話出来んのかな……


「――御前は、ゼンが死んでも護るだろう。蒼哉を連れ戻すのは容易ではないが……不可能でも無い筈だ」


「……うん……そういや、ゼンとヴァイスは何しに行ったんだ?」


万魔殿って事は、ほぼ間違いなくルシュアに逢いに行ってんだろうけど…


「――報告、と云えばそうだがな。今から俺も行くさ……カーディナルを護れなかったのは失態だ」


―――要するに、怒られに行ったのか…?

ルシュアの、あの見た目にそぐわない威圧感ってか怖さを思い出すと………いや、うん。怖いわ。



「――や、ちょい待ち。だってあの場合完全に仕方無かったってヴァイスだって云ってたじゃん」


だってゼンがあのデカイ術使わなかったら、多分俺達は体力消耗して蟲にそのまま拐われてた筈だ。

――シャルを近付けたのは、俺だし。



「―――あぁ。だが、蒼哉が拐われたのは事実だからな」



ふ、と苦笑いを浮かべるアゼルは、いつもの柔らかい空気があんまり無くて―――機嫌悪い、感じかな。






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