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宝珠遊戯



―――――――



『―――今は、其処は?』


『ロスシート…?………もう無いよ』


守護者になったって、死んだ人間はどうにも出来ない。

もう少し早く、覚醒してれば、僕はルイを護れたのに――――


全部が遅すぎて、手に入れた力や、先代達の想いなんて僕には何の意味も持たなくて――――僕は、全部無くなれば良いって、思った。


ルイを村外れに埋めた時だったかな――――雀麗に逢ったのは。


闇族なのも、例えば対峙したら勝てる訳無いのも解ってたけど……雀麗の言葉は聞かざるを得ないくらい、魅力的だったんだ。



「―― 壊したいかぇ?この世界を。 この村を …人間を ―――壊したいなれば、妾が手を貸そうぞ」


金色の扇で口元を隠して、雀麗は僕の目の前に立った。


「なに、そなたは何もせぬで良い―――否、何もせぬ事こそが復讐となろう」


「………どういう…事?」


「妾の闇達で、この村を喰らい尽くしてやろう―――そなたは、そう、何もせぬで良いのじゃ―――此処の人間達とて、そなたに助けは求められぬであろ?」


それは、凄く魅力的な持ち掛けだったよ。


僕は、それだけ全部が憎くて……世界なんて、無くなれば良いと思ってたから。


「……何で…そんな事、してくれるのさ……」


「……なに、ほんの気まぐれよ。なれど、等価が要るぇ?妾はそなたの望みを叶えてやろう―――そなたは、妾に力を貸しておくれ」


それが、『契約』だって云うのも知ってた。


過去のシャルトルーズ達なら絶対断ってた。



「……僕に、出来る事なら、何だってする。…するから――――」


―――あの村を…ロスシートを、壊して………





雀麗と僕はそれで契約を結んだ。


僕が雀麗の駒に過ぎないのも……もう、嫌だって云っても契約は破れないのも…


仕方ないけど―――



『――今は、俺のなんでしょ?雀麗がそう言ったなら』


『うん……そうだよ』





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あきゅろす。
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