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宝珠遊戯



ほぼ体当たりって感じで抱き着いて来るパールを一応受け止めて、俺はパールの顔を隠すフードを上げる。


「帝都からまた出て来たのか?」


「……ちゃんと、あたしのやるべき事はやってるわよぅ。…でもぉ……心配は心配なの――あたしは、至宝珠の気配には一番敏感なんだから」


―――パールの云わんとしてる事……多分、蒼哉がザムルタートから居なくなったのを悟って来たんだろう。


「―――…そか」


「……話くらいは、してくれるわよねぇ?あたしも、出来る事はしたいわ」


躯を離しても、真っ直ぐ俺を見据えてくる白銀の目には相当強い光があって。


俺は頷いてパールに椅子を勧める。


「――話すよ。俺も、まだ色々…整理出来てねぇけど――」



「―――怜斗様。私は一度下がりますから、何かあれば御呼び下さい」


パールにお茶を用意したベレッタが、すっとお辞儀して屋敷の方に歩いてく―――そか、そういや仲悪かったっけ。この2人。


「短刀直入に訊くけどぉ……蒼哉ちゃんは、どうしたの?」


俺の対座に座って、テーブルの上で手を組んだパールの問いに、俺は落ちそうな視線をパールに向ける。

「――ディーザサルワに居る。ちょっと、話すと長いけど……」




俺は蒼哉と違って、説明とか解説とか、そう云うのはかなり苦手。

だってどっからどうやって説明して良いか解んねぇじゃん。


だけど、今は代わりに説明してくれてた蒼哉の話だから……




最後まで聞いたパールは、凄く、辛そうな顔をした後―――小さく息を吐いた。



「―――シャルトルーズ……あのコ……あぁ、あたしがもう少し気をつけてあげれば良かったわねぇ…」


「俺は、シャルを信じてぇんだ。例えば蒼哉を拐ったのがホントにシャルだとしても―――何か理由があったんだって思って」



パールは俺をじっと見て、紅茶を一口飲んだ。



「シャルトルーズは、確かに可哀想なコではあるんだけどぉ―――今回はちょっと……見逃せないわ」




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