宝珠遊戯 13 さっっっぱり解ンねぇ。 ま、正直なハナシ。 さっきのカインでもこのベレッタでもついてった先でどうなるか解らない点では同じだ。 「――行ってみるしかねぇんじゃね?そろそろここも居心地悪いっつーか…」 カインが居なくなってからも遠巻きにこっちを伺ってる街の人達も微妙に増えてきたし。 よくよく考えたら街ぐるみでコスプレ状態って見える――いや、流石にそうだとはもう云わないけど。 蒼哉も気付いてるらしく、頷いた。 「そうだね。僕らには色んな情報が足りないから……じゃあ、ベレッタさん…宜しくお願いします。僕は蒼哉。こっちは兄の怜斗です」 にっこりと、蒼哉は花でも背負えそうな笑顔を浮かべてる。 学校の女子とか、先生(特に女教師)とかはコレでころっと態度が変わるんだけど…… 「……かしこまりました。こちらです」 蒼哉の優等生スマイルをものともせず、ベレッタはすたすたと四方にある広場の出口のひとつへと歩き出す。 珍しい……って云うと軽く失礼か。 けど、蒼哉にピンポイントで微笑まれて無反応の女の子は初めて見たぞ? 「――…通用してねぇじゃん。蒼哉」 ちょっと遅れて後を追いながら、ベレッタに聞こえないように小声で云うと、蒼哉は優等生顔キープのまま口を開いた。 微妙に憮然としてるって事は、蒼哉としても意外だったって事だろうな。 「さっきのヤツは大丈夫だったけどな。……でもあのコに関しては今の所支障ないから」 「……つーか、最初からそれで居れば良いじゃん…」 微笑み混じりに支障とか計算じみたセリフを吐くなよ。 紅く染まった髪でちょっと蒼哉じゃない感じもするけど、この変わり方は蒼哉でしかない。 寧ろこんなに変わり身の早いヤツが他に居るなら見てみたい―― 関わりたくはないけど。 [*前へ][次へ#] [戻る] |