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宝珠遊戯
49


――怜斗side――



食事の後部屋で早々に着替えた俺達は、ミーナに教えて貰って俺達の部屋のある場所とは違う棟に来てる。


「―――この辺だよなぁ?…つーか景色一緒だし!」


水晶で出来た城は、中は磨き上げた白い石みたいな感じで、夜でも少しの光で十分明るい。

小さめとは言え、水晶のシャンデリアが並んだ廊下は、同じような扉が幾つもある―――


「――客間の棟みたいだから……一番奥だとは云ってたけど…ここ、そうだよな?」


蒼哉の言葉通り、確かに行き止まってはいるんだけど…

正面に3つ、両側に2つずつドアがあるんだから特定出来ない。


「まぁ、取り敢えずこの辺なんだろ?」


手っ取り早く正面のドアを叩こうとしたら、右側のドアが開いた。


「――2人共、玻璃帝には逢えた?」


居るのが解ってたようなゼンの言葉に、ドアを叩こうとしてた俺はその態勢のまま反射的に後退る。


「――っ、…あぁ、ちょっとだけど話は出来た。アゼルと一緒?」


片手にグラスを持ってる所を見ると、呑んでるっぽいから。


「ん、まぁね―――入れば?アゼルなら奥に居るし」


どうやら俺達が来たのに気付いてわざわざ出てきてくれたらしい。
促されて俺達も部屋に入った。


「――で?玻璃帝、どうだった?」


「お陰様で急な話だったので、そう長く逢えた訳でもないですよ」


蒼哉が相変わらず冷たーい笑いで云うと、ゼンは苦笑混じりに肩をすくめた。


「半分はサラのせいだけどねー?ま、優しいヒトだったっしょ?」


「あー、うん。何かほんわかしたヒトだったな。ちょっと懐かしい気もして」


部屋の中だってのに廊下の続きみたいなのを歩いて、中部屋に入ると、座ってたアゼルが顔を上げた―――やっぱ呑んでたらしくて、テーブルの上には酒瓶がある。


「――終わったのか?」


「ん、まぁ。一応知らせとこうかと思ってさ」


アゼルの対座に座ると、ゼンが奥から何か入ったグラスを出して来た。


「何のハナシしたの?」


「―――俺達が帰れるかのハナシ。結論的にはまぁ、無理だったんだけど………つーかナニ、コレ。酒?」


この世界に未成年は飲酒禁止って決まりがあるかどうかは知らねぇけど、そう好き好んで呑む質でも無いから、ちょっとグラスの匂いを嗅ぐ――甘い、匂いかな。




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