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宝珠遊戯




「…あれ、先客だ?珍しいね、蒼哉まで居るなんて」



立ち入り禁止ってのは、聞く気のない人間には意味がない。

ノートパソコンのバック片手に普通に来たのは、霧宮 京。


男子の制服着てなけりゃ………着ててもか。

華奢なのと女顔とで女の子にしか見えない。

力もないし、何か笑うとふわんってするし。



そんなのが何で立ち入り禁止の場所来るかって?


こんなナリして、京は『K』って裏だと有名な情報屋だから。


成績は上の中、運動は微妙、そこらの女子より全然美人。

なのに、何処のチームが総長代わったとか新しいチームが出来たとか、下手したら一般人に手ぇ出してたり、危ないクスリの流通だったり……

聞いて答えが返らなかった事がない。


世の中見た目じゃないよな〜



「俺は怜斗を探しに来たってのもあるんだけどね。京は、何かあったのか?」


ノートパソコンとか持ってるしな。


「ん、ま……此処のが都合が良い事がね」



ふわりと笑って少し離れた所でパソコンを開く。



「――…あぁ、そうそう。セイ、ANGELS抜けたみたいだよ」



もう両手はどうなってんだってスピードで動いてるけど、のんびり紡がれた言葉に俺は眠気がちょっと退いた。



「ぅえ…ッ?」



セイって……こないだやり合った青髪だよな?


……何で…



「――…ま、そうだろうね」




何で蒼哉は納得してんだよ。



カタカタとキーボードの軽快な音をさせたまま、京が俺を見た。



……いや、何で手元も画面も見ずに作業出来るかな?




「寂しそうな顔してるね、怜斗。大丈夫だよ、別に裏から居なくなった訳じゃない」


「…え、だって今抜けたって……」


「セイは元々、別のチームの人間でね?ANGELSが力ずくで吸収したんだよ。時間の問題だとは思ってたから、不思議でもないでしょう?」



力ずくで?

……んー…ま、統率性のなさとあの人数じゃ確かに頷けるけど。



「怜斗とやり合って愉しかったんじゃない?今はフラフラ顔出してるフリして……怜斗を探してるみたい」


「ふぅん………へ?何で京がソレ知ってんの?」



いくら京が情報屋っつったって、見た目の件もあるし裏にあんまり直接関わってる事はなかった筈なのに。



「僕にわざわざ依頼が来たからね……ま、ちゃんと断ったから蒼哉もそんな顔しないでよ?」



クスクス笑う京の言葉に蒼哉を見たら、物凄く嫌そうに顔を顰めてた。



俺が『裏』に関わるのをホント嫌がるんだよなぁ…



「CRIMSONの溜まり場に顔出したって話は聞いたけど……そう言う事か………全く…」


蒼哉だって『情報屋』って意味ではバッチリ裏に関わってる癖に。





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あきゅろす。
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