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宝珠遊戯




俺達はお互い以外にはあの夢の話をしてない。



蒼哉は勉強、俺はゲームしてたとか適当な理由で済ませてる。


あんな夢の話なんて人に話しても笑い話にさえならないってのもあるけど。


でも何より、確かな恐怖を少なからず感じてるからだ。



「・・・怜斗は何だと思う?あの声――


もう少し寝てたら、どうなってたか、とかさ―――」




寝転んだ俺の隣に座った蒼哉がぽつ、と呟いた言葉に、俺は閉じてた瞼を開ける。



蒼哉は俺じゃなく、何処でもない、宙を見てた。



「俺に解る訳ないじゃん・・・でも、取り敢えず、物凄くヤ〜な声なんだよなぁ・・・」



「――綺麗な声ではあったけど・・・何か、動けない獲物を前にした猫って云うのかな?じわじわ追い詰めるのを楽しんでる感じ」





『――・・・・・』





急に誰かに呼ばれた気がして、俺は躯を起こした。



何の変徹もない屋上は、見慣れた空間の筈なのに。



起き上がったら一瞬だけ、夜みたいに暗く見えた―――




立ちくらみ・・・?



じゃ、ないよなぁ・・・




「・・・怜斗、どうした?」



蒼哉の声に、俺ははっとして首を振る。



「あ、や・・・今―――――何か聞こえた?」



「はぁ?・・・・何、寝てる?」





いや、無理だろ、流石に。



「目ぇ開けてるし!」



――・・・蒼哉には聞こえてない?




つか、アレが声だったかどうかさえも解らないし。




ちょっと神経質になってんのかな。



「はぁ・・・・何でもねぇ。気のせいだったわ」



「音が無い訳じゃないけど・・・」











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