アクマ バスタイム いつのまにか姿を消していた主が 手にレモン色のタオルと着替えらしき黒い服を持って、ひょっこりと顔を出し かまどの蓋の上に着替えを置いて、 井戸から水をくんでバスタブに水を流し込み かまどの鍋の蓋を開き中の湯を確かめると、湯をダバダバ継ぎ足しぐるりとかき混ぜると 「よし わいてるから、」 とずいずい近づいてきた 「まっ」 「?」 まさかとは思うが、明らかに脱がしにかかろうとする手を押し止めて、薄々 勘づいてはいた事実を確認してみる 「私は、一応 子供ではない」 「…、?自分で脱げるのか?」 と口にしながら、容赦なく服が ばんざーいの掛け声とともにヒン剥かれて、14、5から時から時が止まった我が身が憎い。 そして、軽々と抱えられ、顔に水が掛からぬように そっと湯船に下ろされる 温めのやわらかい湯は、本当に久しぶりだった 主はさらに脇から、小ぶりのワイン瓶の中身をあけ風呂に混ぜながら、洗面器らしきものに煮えたぎる湯と粉石鹸を混ぜ合わせ泡立て、また湯船にぶちこむ そうしてまた新たに液体石鹸の瓶をたぐりよせ 「ちょ」 どんだけ泡だらけにする気なのか、 ぬるく冷たい石鹸を直に髪と頭皮に擦り付けて洗われる 耳の後ろも前髪の付け根も後頭部まで、爪を立てないように ワッシャワッシャなで回される だんだんと、薄い灰色やら茶色に変色する泡に 確かに汚れていたらしい事を認める事にした。 そして、ぷかぷかと湯と泡に埋もれていたタオルを手に取って 自分で自分をごしごし擦り始めると おもむろに主が、別のタオルで 力一杯。背中を擦って 色んな意味で 悲鳴を上げたのは言うまでもない . [*前][次#] [戻る] |