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アクマ
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キラキラと朝日が登る。
目に染むそれに、頭が痛くなりながら目をこじ開けるが…奥の方の筋肉が吊るように痛くなる。


再び目覚めた朝。

黄色く感じる陽光に、立ち上がるのが拷問のような倦怠感。辺りを見回しソファに眠る主を横目に、どうにか部屋を後にする。


一歩、また一歩
遅々として進まない、遠い玄関までの道のりに苦しみながら、あと少しでドアノブに手が届くという所で

ガチャリと、扉が開いた。



デジャヴュを感じる。前にもこんなことがと思いながら、目に染みる黄色いお日様の光に痛みを感じて、バランスを崩した。


腰や尾てい骨らへんを強打するのを覚悟し目を閉じたが、




背中に回された暖かい手に意外に思いながら目を開いた。


逆光の中、銀髪を揺らしこちらを見下ろしたアメジストの瞳の青年の手。首筋に頭を寄せるような近い距離。





いいにおいがした。

それは餌の血潮ではなく、香水に混じって薫る主とは違ったにおい


ずるずるへたり込めば、客人は抱えあげるべきか支えるべきが戸惑っているような素振りを見せた


今日は昨日みたいな紫尽くしの服装ではなく、白の首もとまでカバーした詰め襟のようなシャツにストールやらベストやらを併せた格好のようで、なかなかお洒落だなと思いながら床に腰を下ろした。


座ってしまえば、後はもう動けない。


低い重低音でキュルキュル鳴り出した胃に、客人は一瞬目を見開いてから眉間にシワを寄せ、私の目の前に屈み込んだのであった。

目が開けていられなくて、ゆっくりと瞬く。
すとんと、意識が落ちるのは一瞬だった。

 赤い赤い赤い、血のジャムだ。
むせ返るような嗅ぎなれたそれの匂いは喉元にまでせりあがって、肺いっぱいに広がっていた。

豪奢だった絨毯はぐじゅぐじゅと足の裏で音を立て、元の色の色が分からない。

見慣れたはずの室内はまるで、異質で


これは夢だとわかっている。理解しているのに、目覚められない過去の悪夢に私の脳味噌は悲鳴を上げて、キリキリと空回りしていた。





 軋む床板。踏み鳴らすような足音にフィルベルトはうっすらと目を開いた。
騒音はだんだんと距離を狭め近づいてくる。

カーテンの隙間からキラキラと朝日が差し込み、舞うほこりが日の光を乱反射した。
叩き付けるような音を立て扉が開いて閉まった。一瞬の内だ。

力加減を間違えたのか、ちらりと見えた白金の髪は友人のアッカード・シロウ・ホカリだった。




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