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アクマ





ピンと空気が張り詰める、それは主に銀髪の客人からで、怒りに似た感情を持ちながら場を見守っていた。それに気づいて苦笑する。この話しは、客人にも悪い話ではない

「…脅された事か?」

「違います」

火に油を注ぐようなソレをスパッと切り捨ててから、さらに警戒し出す客人にとっとと話を進めようと口を開く。


「妹君が癒えるまで、」


ギシリと主の座る椅子が軋む音が聞こえ、思いの外空気を振るわせた一言に、やはり伝わってなかったと思い、もう一度繰り返す


「主どの、妹君が癒えるまで、お供致しますとお伝えした事は覚えておられますか?」

と言い含めるように、視線をやった。
背後に控えていた2人が、主より先に反応を示す

「ん、んん、?」

「お兄様?そうですの?」


なにも言わない彼に焦れたのか、口を開いたセシル様にやっと振り返った彼がどんな顔をしてたかはわからないが、ひとつ肩の荷が降りた気がした。


ゆっくりと、浅い息を繰り返す。お腹がすいた。
ぎゅううと空腹を知らす胃に、もはや羞恥心など湧かぬほど疲れていた。


けれど、確認という名のごり押しの為くりかえす


「…おぼえておられますか、」


人間、腹が減りすぎると眠くなるのか、まぶたが重たくて纏まらなくなっていく思考にイライラした。


彼がうんと言いさえすれば、その契約は受理される。






眠りに落ちるその直前、『   』という一言を聞いた気がした。



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あきゅろす。
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