アクマ @ 「すまない、」 心底、バツが悪そうに呟いた言葉に思わず真顔になる。視界の隅に居る紫の服の男も、どうやら似たような顔をした。 チラリ隣に視線をやって、互いに一瞬の見つめあった後、再び主に向き直る。 けれどそれ以上、口を開かず席に舞い戻ってしまい、また隣に立つ男と目を合わせた。 チラリ、主の方へ目配せして 隣に立つ男が意外そうに少し目を見開いた。 たぶん、こいつなら主を上手いこと言い含め丸め込めそうだし、励ます事も出来るだろう。 さとい男のようで、どうやら意志を汲み取ったらしく同じように主の方へ歩み寄り2、3耳元でなにか囁いてから席に着き その紫の目がこちらに向けられ、じっと腹の底を探るように観察されているのがわかった。 [*前][次#] [戻る] |