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アクマ






ほこりが舞うあまい空気、ゴリゴリと骨を押し返す板の間、窓から差し込む真っ白な朝日。


久々に清々しい朝を迎え、ヨリはバキバキッと音を立て背骨を伸ばした。


からだが軽い


そうして軽いストレッチの後、朝日を浴びつつ首筋と銀の繊細なネックレスの間に指を押し込みコリコリとかきながら、音もなく部屋を後にし台所へ向かう



すりおろした野菜のスープにチーズを薄く刻んだ物を加え、少しトーストしたパンだけの簡単な朝食を作り、妹君を起こしてから 主も叩き起こすのがここに来てからの習慣になりつつあった



しかし今日は、3日に一度 申し訳程度に篭に押し込まれたパンにチーズや萎びた野菜やらが届けられる日で、先に確認しに玄関に足を伸ばす




明るい朝日は分厚いカーテンの向こう側。朝でも薄暗いエントランスは白けた灰色で、あと数メートルほどで玄関という所で、扉が甲高い悲鳴を上げ開いた。


ハッと目を見開き、思わず身構える。


こんな幽霊屋敷に来客、いや泥棒が寝床にでもと忍び込みにでも来たか。


一瞬で駆け巡る思考は、その扉の向こうの男と目があってからもぐるぐると頭を占拠し、相手も驚いたのか、パチクリと瞬く。


その手には、今朝配達された篭が握られていて、

「あんた誰?」

と逆に囁くような声色で尋ねてきたのだった。


しばし互いに見つめ合う。


「まさか、使用人?いやそんなゆとりあいつに無さそうだし、君泥棒?」


どうやら主に来客のようで、親しいらしい空気に対応を考えるが、とりあえずは アクマは悪魔らしく


「お初にお目にかかります。私は、主に仕えるアクマでございます。以後お見知りおきを…」

慇懃だが少し無礼振るまいながら腰を折り、わざわざ目に魔力を灯し金色に光らせ人ならざる者であることを先にアピールしながら、出迎える事にした





後で、事実を知ってから喚かれても面倒だからだ




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あきゅろす。
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