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アクマ












清々しい朝だった。



ベットに主を蹴り入れ、強制的な眠りを強いて


規則正しい寝息を聞きとどけ、近場に在ったホコリっぽいソファーに横になった







ハズなんだが、

温いなあと思えば主の腕の中、布団にくるまれて


小さくクシャミしたむき出しな主に、布団を分けてやり


どうにか手の内から抜け出した。



目の前に迫る寝顔に起き抜け早々、肝を冷やしバッチリ目覚めた今


二度寝する気がわかない



力一杯、ため息をつくと

悲鳴を上げる戸を、なるべく静かに開き


廊下に出て階段を降りて、玄関から外に出た





そよ吹く風が髪を揺らし、目を細める



契約は半ば、本契約には至ってない


けれど





 そこで考えるのを止め、庭に雑草のように放置された一重咲きのバラを手にとった


指先に魔力を込め、プチンプチンと切り取って摘んでいく



そうして、一株から取りすぎないよう満遍なく両手一杯になったところで



花弁に口づけて




―――まるで花が、早送りされたかのように萎み枯れ散っていく



 たくさん食べても腹一杯にはならないが


空腹は、紛れた



15分も立たずにあらかた平らげると枯れた花を手放し、手を合わせた


「…いただきました、ごちそうさまでした」

早口て言い捨てて、その場を離れて



今朝の主の事を思いだし、腹が鳴った。



あのくらい食べたら、2日は要らないが


『ごちそう』は、別腹という訳か



首筋の薄い皮膚の下

流れる熱い血


 思わずグッと眉間にシワが寄って、


その考えを振り払った



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