アクマ 1 じめっとして、暗くて、かび臭くて、せまい。 ザ貧乏長屋!みたいな牢屋だった。 石造りの部屋は四隅がカビたように苔むし、狭い箱に詰め込まれたような気分になる。 そしてどうやらここは地下に作られたらしく、唯一明かりといえば天井すれすれに作られた、なんとか手が出せるくらいのタテ10cmもない、白線みたいに横長の窓だった。 たぶん、この窓は横の牢屋とも繋がってはいるのだろうが、壁が分厚いのか人が居ないのか呼び掛けても届かないようである。 正直この窓がなけりゃ、今よりもっと悲惨だったかもしれない。 雨の日はナイアガラの滝よろしく室内は水浸しになるし、Gもどきに虫やらトカゲに小石が降って来たりもするが。 そう考えて身じろぎすれば、鎖がそして重石のような貴金属がじゃらじゃら耳障りな音をたてた。 眉間にしわがよると思わず、手首に数十は巻き付くブレスレットを視界に入れてしまい、首にも足首にも過剰に貴金属がはめられているのを思い出してしまった。 まず、この嫌がらせを1からわかりやすく説明すると 私は悪魔で魔法の元になるから、それを貴金属に吸わせ、電池の充電のような事をさせているらしかった。 [*前][次#] [戻る] |