に ょ ろ り
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マリモの湖。温水湖にパンパンとかしわ手を打ってから一礼し、朝の点検に他の温泉も見て回る。
湯煙薫る朝の銭湯、壊れたり異常がないか確認してから 貸し出しの桶やなんやらを見て回り、足りないものがないか確かめて、終われば
水をせき止め、底に沈む木の葉やら石やらなんやらをかきだし洗って、再び温水をひく
点検と清掃が終わると、次は補給、次はなにがしとやることは多い
働かざる者食うべからず
異世界に来て、まだ10代も半ばなのに勤労せねば 寄る辺がない。
不満もないが、
正直、ーーー。
峰岸董花(ミネギシ・トウカ)はギュッと目を閉じた。一時的に時間が止まったように動くのを止め、そこで考えることを辞めることにした。
銭湯の朝は早い
開けきらぬ内に下ごしらえをはじめ空が本格的に明るくなると、ヨソの持ち回りだったにょろっとした人達も大集合で、
マリモの湖の前で朝礼が始まった。
空は水色、雲ひとつなく
早朝のザワザワした風は収まりを見せ、気温が高く、暑くなっていく。
どうやら一族の顔役らしき、あの雲のように真っ白な髪のあの年配の女性が紅玉のような目元をほころばせ朝の挨拶をおこなう。
サンサンと照りつけだした日に、今日も暑くなりそうだとぼんやり考えた。こんな日は飲み物のヘリが早い
仕事の段取りも考えながらの朝の集会は駆け足で過ぎていった。
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